2012年6月9日土曜日

―老子易の考え方―

_老子易は自然に則っている。
 一般的な易では八卦の成り立ちを説明する時、父と母がいて子
が生まれることを前提としているが、本来、生き物は最初に単細
胞生物が現れ、これが母になり、細胞分裂で増殖するので、これ
が子になる。だから老子易ではまず「母子」の関係としてみる。
 母子は主従関係としても解釈できる。
 そして陰陽ではなく母子の距離感をあらわすため「入」と「出」
で考える。


―母子の関係―

 母―主導権を握っている者。
 子―主導権を握っている者に影響を受ける状態にある者。


―母子の決め方―

 自分が目標にされていると思えば母で、目標にしている人がい
るのなら子になる。


―入と出の考え方―

 「入」は、近い場所にいて関心をもち、影響力がある。凹でも
表記する。一般的な易では「陽(|)」。
 「出」は、遠い場所にいて無関心で自由に行動できる状態。凸
でも表記する。一般的な易では「陰(¦)」。
 このように、「入」と「出」は、一般的な易のイメージとは違
うので注意してほしい。
 ところで、どちらかが近い場所にいれば、相手も近い場所にい
ることになるが、相手は近くにいることを知らないこともある。
あるいは近くにはいたくない場合は「出」となる。これは遠い場
合も同じで、お互いに離れた場所にいても相手に近づこうとした
り、影響力があれば「入」となる。

―出入― 凸凹(¦|)
 母が「出」、子が「入」は、明で春。
 子が母を破る。
 新しい時代が訪れるが、しばらく混乱する。
 不安定な革命。

―出出― 凸凸(¦¦)
 母も子も「出」は動で夏。
 母も子もちょうど良い距離を保っている。
 争いがなく、お互いにのびのびできる。
 協力関係。

―入出― 凹凸(|¦)
 母が「入」、子が「出」は、暗で秋。
 母が強く、子が身を引く。
 混乱が収まり、正常化する。
 現状維持。

―入入― 凹凹(||)
 母も子も「入」は、静で冬。
 母と子が同じ力を持ち、争っても勝敗がつかない。
 こう着状態。


 母子の循環
 →出入(凸凹)→出出(凸凸)→
↑                   ↓
 ←入入(凹凹)←入出(凹凸)←