2013年1月27日日曜日

目次

  【呪術としての老子】

  老子易の考え方  母・子の判断例  父の存在  三天二地

  母子父の判断例1  母子父の判断例2  季節の考え方  キ―ワ―ド早見表

  数値について  爻(こう)について  

  1―光影光 出入 出―凸凹凸 凸凹凸  2―光影光 出入入―凸 凹凸 凸凹凹

  3―光影光 出出入― 凸凹凸 凸凸凹  4―光影光 出出出―凸 凹凸 凸凸凸

  5―光影光 入出 出―凸凹凸 凹凸凸  6―光影光 入出入―凸 凹凸 凹凸凹

  7―光影光 入入 入―凸凹凸 凹凹凹  8―光影光 入入出―凸凹 凸 凹凹凸

  9―光影影 出入 出―凸凹凹 凸凹凸  10―光影影 出入入― 凸凹凹 凸凹凹

  11―光影影 出 出入―凸凹凹 凸凸凹  12―光影影 出出出―凸 凹凹 凸凸凸

  13―光影影 入 出出―凸凹凹 凹凸凸  14―光影影 入出入― 凸凹凹 凹凸凹

  15―光影影 入 入入―凸凹凹 凹凹凹  16―光影影 入入出―凸 凹凹 凹凹凸

  17―光光影 出入 出―凸凸凹 凸凹凸  18―光光影 出入入― 凸凸凹 凸凹凹

  19―光光影 出 出入―凸凸凹 凸凸凹  20―光光影 出出出 ―凸凸凹 凸凸凸

  21―光光影 入出出 ―凸凸凹 凹凸凸  22―光光影 入出入― 凸凸凹 凹凸凹

  23―光光影  入入入―凸凸凹 凹凹凹  24―光光影 入入出 ―凸凸凹 凹凹凸

  25―光光光  出入出―凸凸凸 凸凹凸  26―光光光 出入入 ―凸凸凸 凸凹凹

  27―光光光  出出入―凸凸凸 凸凸凹  28―光光光 出出出 ―凸凸凸 凸凸凸

  29―光光光 入出 出―凸凸凸 凹凸凸  30―光光光 入出入― 凸凸凸 凹凸凹

  31―光光光  入入入―凸凸凸 凹凹凹  32―光光光 入入出 ―凸凸凸 凹凹凸

  33―影光光  出入出―凹凸凸 凸凹凸  34―影光光 出入入 ―凹凸凸 凸凹凹

  35―影光光  出出入―凹凸凸 凸凸凹  36―影光光 出出出 ―凹凸凸 凸凸凸

  37―影光光  入出出―凹凸凸 凹凸凸  38―影光光 入出入 ―凹凸凸 凹凸凹

  39―影光光  入入入―凹凸凸 凹凹凹  40―影光光 入入出― 凹凸凸 凹凹凸

  41―影光影  出入出―凹凸凹 凸凹凸  42―影光影 出入入 ―凹凸凹 凸凹凹

  43―影光影  出出入―凹凸凹 凸凸凹  44―影光影 出出出 ―凹凸凹 凸凸凸

  45―影光影  入出出―凹凸凹 凹凸凸  46―影光影 入出入― 凹凸凹 凹凸凹

  47―影光影  入入入―凹凸凹 凹凹凹  48―影光影 入入出 ―凹凸凹 凹凹凸

  49―影影影  出入出―凹凹凹 凸凹凸  50―影影影 出入入 ―凹凹凹 凸凹凹

  51―影影影 出 出入―凹凹凹 凸凸凹  52―影影影 出出出 ―凹凹凹 凸凸凸

  53―影影影  入出出―凹凹凹 凹凸凸  54―影影影 入出入 ―凹凹凹 凹凸凹

  55―影影影  入入入―凹凹凹 凹凹凹  56―影影影 入入出 ―凹凹凹 凹凹凸

  57―影影光  出入出―凹凹凸 凸凹凸  58―影影光 出入入 ―凹凹凸 凸凹凹

  59―影影光  出出入―凹凹凸 凸凸凹  60―影影光 出出出 ―凹凹凸 凸凸凸

  61―影影光  入出出―凹凹凸 凹凸凸  62―影影光 入出入 ―凹凹凸 凹凸凹

  63―影影光  入入入―凹凹凸 凹凹凹  64―影影光 入入出 ―凹凹凸 凹凹凸

  ―季節を加えた判 断例、その1―  ―季節を加えた判断例 、その2―

  ―季節を加えた 判断例、その3―  ―季節を加えた判断例 、その4―

  ―季節を加えた 判断例、その5―  ―季節を加えた判断例 、その6―

  ―季節を加えた 判断例、その7―  ―季節を加えた判断例 、その8―

  ―季節を加えた 判断例、その9―  ―判断のコツ―

2013年1月26日土曜日

―判断のコツ―

 決断に迫られた時「母子」や「母子父」だけでみても今までと
は違った判断結果が得られるだろう。すぐに決断しなければいけ
ない時は、これで十分だ。
 綿密に検討しなければいけない時や将来をみる時に季節を考慮
して、総合的な判断をすれば、困難な状況にも対処しやすくなる
だろう。
 結果だけを受け入れるのではなく、自分が有利になる状況に変
えていくことが大事だ。


                         終わり


参考文献

 新釈 老子(守屋 洋著 PHP文庫)
 
 易経 
  (高田真治・後藤基巳訳 岩波書店)

 まんが易経入門 ―中国医学の源がわかる
  (周 春才著 鈴木 博訳 医道の日本社)

暦と運勢がわかる本
  (岡田 芳朗著 三笠書房)

 密教占星術 ―宿曜道とインド占星術―
  (矢野 道雄著 東京美術)

―季節を加えた判断例、その9―

ライバルを出し抜く方法、その6


 この中で、例えば 『「影光光 入出出」(秋の曇った日)は
飛躍』にしたいと思えば、

37―影光光 入出出―凹凸凸 凹凸凸
 飛躍。
 追い風に乗り順調に進む。
 目標がはっきり見えて障害がない。
 自信をもって行動すれば怖いものはない。
 孤立せず、他の模範になるように指導する。
 -0-0=-0:日曜日の午後***揺さぶられる。影響を受
ける。

|¦¦|¦¦ 艮為山(ごんいさん)

○易経の解釈

 艮(ごん)は振り返るということで、過去をかえりみて、将来
の指針を得る。向かうところ敵なし。障害はない。

 初六は、痕跡をかえりみる。基本が大事だ。じっくりと調べた
ほうがいい。
 六二は、避難してかえりみる。誰も助けることなく、状況に流
されてしまう。あと味が悪いが、生きていてこそだ。
 九三は、限界をかえりみる。慎んで度をこさない。危険なこと
に心はひかれるものだ。
 六四は、自分自身をかえりみる。成長に役立つ
 六五は、助けるためにかえりみる。順序だてて説明すること。
そうすれば受け入れられる。
 上九は、積極的にかえりみる。得るものがある。

 ライバルを出し抜ける可能性がある。
 積極的に行動したほうがいいが、ルールを無視したり、サービ
スが悪いとか、商品に欠陥があるなどの不手際が起きないように
注意する必要がある。

 秋は収穫の時期なので、あなたや商品の知名度が上がり、信頼
が得られた頃に行動を起せば、ライバルを出し抜けるだろう。
 まずは信頼を得ることに努めるべきで、提案などはまだ早いと
いうことだ。
 「日曜日の午後***揺さぶられる。影響を受ける」なので、
休みの日にはライバルに主導権を握られる可能性があるので注意
が必要だ。

 爻(こう)を見る場合は、例えば現在が「十二月」だとすると、

 十二月:上爻の影響が強く、上九はそのままだが、上六は変爻
する。

 なので、上爻を見てみると、

 上九は、積極的にかえりみる。得るものがある。

 とあり、提案しようとしていることを詳細にチェックしてみる
と、間違いや改善点が見つかるかもしれない。

 もし現在が「一月の三十日まで」だとすると、

一月の三十日まで:上爻の影響が強く、上六はそのままだが、
上九は変爻する。

 となり、上爻は上九なので変爻することになり、

 「|¦¦|¦¦」が「¦¦¦|¦¦」に変爻したので、

「29―光光光 入出出……新天地 凸凸凸 凹凸凸
1-0=+1 ¦¦¦|¦¦ 地山謙(ちさんけん)」を見る。

29―光光光 入出出―凸凸凸 凹凸凸
 新天地。
 荒れた土地は耕せば実りが得られる。
 価値のないものを価値あるものにすることが大事。
 困難にこそ価値がある。
 完成をイメージし、夢を持ち続けることだ。
 1-0=+1:月曜日の午前***光に照らされる。認識され
る。

¦¦¦|¦¦ 地山謙(ちさんけん)

○易経の解釈

 謙(けん)は、へりくだるということで、すべてやりとげられ
る。そろそろ後進に道を譲る時期がきている。

 初六は、断っても人から乞われる。その願いに応えてこそ大成
できる。得るものは大きい。
 六二は、譲ることを知らせる。肩の荷が下りて安心できる。
 九三は、譲る相手を見つける。継承されて、名誉が残るので、
いつまでも尊敬される。
 六四は、成し遂げたら居座らない。すすんで道を譲ること。
 六五は、富は循環させてこそ意味がある。だから、滞らせる者
は排除される。これは自然の成り行きだ。
 上六は、譲ることを知らせる。だからこそ指導は厳しく行い、
意識改革をするのだ。

 営業先を変えてみる。
 新商品は、まったく考えてもみかなった所で利用されるかもし
れない。
 あえてライバルとの競争は避けたほうがいいだろう。

 今はライバルを出し抜くことはできそうにない。
 新しい手を考える必要がある。
 「月曜日の午前***光に照らされる。認識される」なので、
月曜日には積極的に市場開拓や新商品のアピールをすると注目さ
れるだろう。

 そして、上爻を見てみると、

上六は、譲ることを知らせる。だからこそ指導は厳しく行い、
意識改革をするのだ。

とあり、あなたが一歩引いて、誰かに指導を任せたり、思い切っ
てプロジェクトメンバーを変えてみるなど、大きく変革してみて
はどうだろうか。

 この他に、ライバルには支援者がいたり、あなたの方が優位な
立場にあり、支援者もいるかもしれない。そうした場合も同じよ
うに調べてみれば、決断の助けになるだろう。

―季節を加えた判断例、その8―

ライバルを出し抜く方法、その5


 「影影光 入出出」(春の曇った日)は抑止。

61―影影光 入出出―凹凹凸 凹凸凸
 抑止。
 凍った湖を慎重に渡る。
 目標に近づくと慎重になり、力が発揮できなくなる。
 事前の調査がしっかりしていれば問題ない。
 欲を出し過ぎないこと。
 -1-0=-1:月曜日の午後***散らばる。小さく弱い存
在。

||¦|¦¦ 風山漸(ふうさんぜん)

○易経の解釈

 漸(ぜん)は、逆らうとういことで、間違っていることに従う
ことはなく、用心深く戻ればよい。自分の判断を信じることだ。

 初六は、多勢をかわして逆らう。意志が弱いと流される。何を
言われても聞く必要はない。
 六二は、多勢に団結して逆らう。苦楽を共にする。結束が深ま
る。
 九三は、多勢に後から続いて逆らう。他人の意見に流されてい
るだけで逆らうことができず、達成しても持続はできない。三日
天下になるだけだ。他人の意見を鵜呑みにしないことだ。
 六四は、多勢に無抵抗不服従で逆らう。勢いを弱めることがで
きる。誰も責めることができない。
 九五は、多勢に倍して逆らう。長期戦になる。そして最後には
はね返すことができる。逆らった方の勢いが増す。
 上九は、多勢に連なって逆らう。その先頭に立って指導し、皆
の手本となること。支援が得られる。

 ライバルを出し抜いたとしても、それは一時的なことで、気を
抜けばすぐに追い越される。
 営業先と親密になったり、商品の性能を高めたりといった、足
場固めをする必要がある。

―季節を加えた判断例、その7―

ライバルを出し抜く方法、その4


 「影光影 入出出」(冬の晴れた日)は帰省。

45―影光影 入出出―凹凸凹 凹凸凸
 帰省。
 災害に遭い、故郷が心配になる。
 足元がぐらついて不安になる。
 良いことが続いても臆病風に吹かれる。
 気になることがあれば、よく確かめることだ。
 -2-0=-2:火曜日の午後***衝突する。敵味方の区別
をする。

|¦||¦¦ 火山旅(かざんりょ)

○易経の解釈

 旅(りょ)は、集結するということで、争乱の兆しがある。大
義名分があれば支持されるだろう。

 初六は、集結してざわついている。今にも争乱が起きそうだ。
 六二は、集結すると留まって休息し、集めた情報から計画を練っ
て、多くの協力者を集める。
 九三は、集結すると留まって扇動すると、多くの協力者まで逃
げてしまう。正義をふりかざしても受け入れられない。
 九四は、集結して目的地に着くと、軍資金や武器を手に入れる
ことができる。身が引き締まってくる。
 六五は、城壁を攻めたが、なかなか落せない。しかし、最後に
は開城する。
 上九は、権力者がその地位を失う。その権力者を倒した者たち
は喜ぶが、後には苦難が待っている。一時的に無法地帯となる。
危険な状態だ。

 誰かに足を引っぱられたり、ライバルを出し抜いても損害が増
えるだけということもある。
 スケジュールをチェックして、遅れたり、見落としがないかを
自分で確かめる。


 「影影影 入出出」(冬の曇った日)は解放。

53―影影影 入出出―凹凹凹 凹凸凸
 解放。
 猟犬が狩場に解き放たれる。
 広範囲に情報を集めるためには、集団を自由に行動させる必要
がある。
 集まった情報が重要なのではなく、探す行動が重要。
 何を観て、何を感じるかだ。
 -3-0=-3:水曜日の午後***突出する。力を得る。

||||¦¦ 天山遯(てんざんとん)

○易経の解釈

 遯(とん)は、追跡するということで、情報が集まる。それに
は、目立たないように行動することだ。

 初六は、しっぽをつかむ。知られると危険だ。だから、むやみ
やたらに情報を漏らさないこと。
 六二は、情報を集めるのは、あらためるためだ。相手を説得す
るのに、これに勝るものはない。
 九三は、情報に振り回される。古かったり、間違った情報に騙
される。心を許した身近な者の情報を集めたほうがいい。
 九四は、都合のよい情報を得る。賢人は鵜呑みにし、凡人は疑
う。
 九五は、貴重な情報を得る。効果があり、役に立つ。
 上九は、有益な情報を得る。広範囲に利用価値がある。

 営業先やライバルの情報が不足している。
 もっとよく情報収集して、検討したほうがいい。

―季節を加えた判断例、その6―

ライバルを出し抜く方法、その3


 「光光光 入出出」(秋の晴れた日)は新天地。

29―光光光 入出出―凸凸凸 凹凸凸
 新天地。
 荒れた土地は耕せば実りが得られる。
 価値のないものを価値あるものにすることが大事。
 困難にこそ価値がある。
 完成をイメージし、夢を持ち続けることだ。
 1-0=+1:月曜日の午前***光に照らされる。認識され
る。

¦¦¦|¦¦ 地山謙(ちさんけん)

○易経の解釈

 謙(けん)は、へりくだるということで、すべてやりとげられ
る。そろそろ後進に道を譲る時期がきている。

 初六は、断っても人から乞われる。その願いに応えてこそ大成
できる。得るものは大きい。
 六二は、譲ることを知らせる。肩の荷が下りて安心できる。
 九三は、譲る相手を見つける。継承されて、名誉が残るので、
いつまでも尊敬される。
 六四は、成し遂げたら居座らない。すすんで道を譲ること。
 六五は、富は循環させてこそ意味がある。だから、滞らせる者
は排除される。これは自然の成り行きだ。
 上六は、譲ることを知らせる。だからこそ指導は厳しく行い、
意識改革をするのだ。

 営業先を変えてみる。
 新商品は、まったく考えてもみかなった所で利用されるかもし
れない。
 あえてライバルとの競争は避けたほうがいいだろう。


 「影光光 入出出」(秋の曇った日)は飛躍。

37―影光光 入出出―凹凸凸 凹凸凸
 飛躍。
 追い風に乗り順調に進む。
 目標がはっきり見えて障害がない。
 自信をもって行動すれば怖いものはない。
 孤立せず、他の模範になるように指導する。
 -0-0=-0:日曜日の午後***揺さぶられる。影響を受
ける。

|¦¦|¦¦ 艮為山(ごんいさん)

○易経の解釈

 艮(ごん)は振り返るということで、過去をかえりみて、将来
の指針を得る。向かうところ敵なし。障害はない。

 初六は、痕跡をかえりみる。基本が大事だ。じっくりと調べた
ほうがいい。
 六二は、避難してかえりみる。誰も助けることなく、状況に流
されてしまう。あと味が悪いが、生きていてこそだ。
 九三は、限界をかえりみる。慎んで度をこさない。危険なこと
に心はひかれるものだ。
 六四は、自分自身をかえりみる。成長に役立つ
 六五は、助けるためにかえりみる。順序だてて説明すること。
そうすれば受け入れられる。
 上九は、積極的にかえりみる。得るものがある。

 ライバルを出し抜ける可能性がある。
 積極的に行動したほうがいいが、ルールを無視したり、サービ
スが悪いとか、商品に欠陥があるなどの不手際が起きないように
注意する必要がある。

―季節を加えた判断例、その5―

ライバルを出し抜く方法、その2


 「光影影 入出出」(夏の曇った日)は帰巣。

13―光影影 入出出―凸凹凹 凹凸凸
 帰巣。
 目的を達成して巣に帰る。
 順調に仕事が終わり、緊張から開放される。
 レジャーが盛んになり、遊び方が多様化する。
 遊びは食事の次に必要なものだ。
 2-0=+2:火曜日の午前***軌道に乗る。目標を見つけ
る。

¦|||¦¦ 沢山咸(たくざんかん)

○易経の解釈

 咸(かん)はゆきわたるということで、意思の疎通ができてい
る。ことが順調にはこぶだろう。協力しあうのはいいことだ。

 初六は、影響力がほんのわずかしかない。
 六二は、悪影響がある。いずれ災いになる。一旦停止して様子
をみることだ。
 九三は、他人に左右されている。しょせんは猿真似だ。実行し
ても得るものはない。
 九四は、積極的な行動は無駄ではなく、悔いも残らない。消極
的に行動したのでは、賛同する者は少ない。
 九五は、無反応だ。良いことにも悪いことにも全く影響されな
い。
 上六は、すぐに影響されて、騒ぎ立ててしまう。

 すでに勝負はついている可能性がある。
 無理をしても利益を失うだけだろう。
 次のチャンスのために準備をしておいたほうがいい。


 「光光影 入出出」(夏の晴れた日)は原点。

21―光光影 入出出―凸凸凹 凹凸凸
 原点。
 本拠地がなければ発展はしない。
 本業を忘れ、利益を追い求めれば情勢を見失い、規律は乱れ、
集団の力を一つにまとめることはできない。
 まず足元を固め、持てる力を有効に使う。
 新しいものは外で利用することにとどめ、内部に受け入れない。
 3-0=+3:水曜日の午前***流される。逆らえば傷つく。

¦¦||¦¦ 雷山小過(らいざんしょうか)

○易経の解釈

 小過は小さ過ぎるとうことで、相手にされない。だから、すん
なり事がはこぶ。日常では役に立つが、重要な日には役立たない。
発言は受け入れられない。高望みはできないが、地道に達成でき
る。結果的に得るものが多くある。

 初六は、高望みすれば災いがある。
 六二は、重要なことは避けて、些細なことに目を向ける。重要
人物に会うには、まずその補佐役に会え。そうすればうまくいく。
 九三は、些細なことを見逃すと、それに乗じて足元をすくわれ
る。大きな痛手になるだろう。
 九四は、影響力がない。だから、すんなりと実行できる。しか
し、調子に乗ると危険だ。力のないことを自覚するべきだ。いつ
も同じ手は通用しない。
 六五は、準備は整っているが実行できない。自ら実行して手本
を示す必要がある。そして、意思疎通をはかり、部下の信頼を得
ることだ。
 上六は、奇抜すぎて、誰もついていけない。孤立すれば、なに
も防ぐことができない。だから、狙われやすい。これは自業自得
だ。

 自分の力以上のことをしようとしていないか確かめる。
 あと一歩というところでつまづくこともあるので注意する必要
がある。

―季節を加えた判断例、その4―

ライバルを出し抜く方法、その1

 次に、ライバルを出し抜く方法を考えてみる。
 例えば、営業をライバルより有利に進めたり、新製品をライバ
ルより多く売るための市場投入の時期など、タイミングが重要に
なってくる。
 仮に、ライバルが優位にあり、あなたが不利な状態とする。
 ライバルが母で、あなたが子。
 ライバルにはまだ支援者はいないとして父は「出」だけで考え
る。
 ライバルがすでに行動を起しているのなら母は「入」。
 あなたが遅れているのなら子は「出」。
 母子父の関係は「入出出」とし、すべての季節をみてみる。

 「光影光 入出出」(春の晴れた日)は耕耘。

5―光影光 入出出―凸凹凸 凹凸凸
 耕耘。
 モグラやミミズが土を掘り起こす。
 自然が活動を本格化させ、生命が成長し始める。
 新しい発見やアイデアが生まれる。
 積極的に活動すれば利益がある。
 0-0=-0:日曜日の午後***揺さぶられる。影響を受け
る。

¦|¦|¦¦ 水山蹇(すいざんけん)

○易経の解釈

蹇(けん)は足が不自由ということで、歩みが遅いので、暖かい
場所はよい。寒い場所はよくない。経験者に相談したほうがよい。
それに従えば良いことがある。

初六は、あがいても良いことはないが、受け入れれば認められる。
六二は、苦難のまっただ中にある。しかし、それは自分一人だけ
ではない。
九三は、行動すれば困難が待ち受け、待っていれば好転する。
六四は、行動すれば困難を一人で背負い込むことになるが、待っ
ていれば大勢で対処できる。
九五は、困難が増すが、助けは必ず来る。
上六は、あせって行動すればさらに困難は増すので、今はじっと
耐えることだ。そうすれば良くなる。経験者を探し、相談して対
処するほうがいい。

 タイミングとしてはいいが、今までとは違ったアイデアがあっ
たほうがいい。
 営業の方法を変えてみる。
 新商品に新しいアイデアがあるのか検討する。

―季節を加えた判断例、その3―

アメリカの関与するアジア情勢、その3


 打開するには「入入入」の関係を何とかしなければいけない。
 「キーワード早見表」の「光影影」(夏の曇った日)と「光光
影」(夏の晴れた日)の中から調べてみると、

 「光影影 入出出」(夏の曇った日)は帰巣。

13―光影影 入出出―凸凹凹 凹凸凸
 帰巣。
 目的を達成して巣に帰る。
 順調に仕事が終わり、緊張から開放される。
 レジャーが盛んになり、遊び方が多様化する。
 遊びは食事の次に必要なものだ。
 2-0=+2:火曜日の午前***軌道に乗る。目標を見つけ
る。

¦|||¦¦ 沢山咸(たくざんかん)

○易経の解釈

 咸(かん)はゆきわたるということで、意思の疎通ができてい
る。ことが順調にはこぶだろう。協力しあうのはいいことだ。

 初六は、影響力がほんのわずかしかない。
 六二は、悪影響がある。いずれ災いになる。一旦停止して様子
をみることだ。
 九三は、他人に左右されている。しょせんは猿真似だ。実行し
ても得るものはない。
 九四は、積極的な行動は無駄ではなく、悔いも残らない。消極
的に行動したのでは、賛同する者は少ない。
 九五は、無反応だ。良いことにも悪いことにも全く影響されな
い。
 上六は、すぐに影響されて、騒ぎ立ててしまう。

 「光光影 入出出」(夏の晴れた日)は原点。

21―光光影 入出出―凸凸凹 凹凸凸
 原点。
 本拠地がなければ発展はしない。
 本業を忘れ、利益を追い求めれば情勢を見失い、規律は乱れ、
集団の力を一つにまとめることはできない。
 まず足元を固め、持てる力を有効に使う。
 新しいものは外で利用することにとどめ、内部に受け入れない。
 3-0=+3:水曜日の午前***流される。逆らえば傷つく。

¦¦||¦¦ 雷山小過(らいざんしょうか)

○易経の解釈

 小過は小さ過ぎるとうことで、相手にされない。だから、すん
なり事がはこぶ。日常では役に立つが、重要な日には役立たない。
発言は受け入れられない。高望みはできないが、地道に達成でき
る。結果的に得るものが多くある。

 初六は、高望みすれば災いがある。
 六二は、重要なことは避けて、些細なことに目を向ける。重要
人物に会うには、まずその補佐役に会え。そうすればうまくいく。
 九三は、些細なことを見逃すと、それに乗じて足元をすくわれ
る。大きな痛手になるだろう。
 九四は、影響力がない。だから、すんなりと実行できる。しか
し、調子に乗ると危険だ。力のないことを自覚するべきだ。いつ
も同じ手は通用しない。
 六五は、準備は整っているが実行できない。自ら実行して手本
を示す必要がある。そして、意思疎通をはかり、部下の信頼を得
ることだ。
 上六は、奇抜すぎて、誰もついていけない。孤立すれば、なに
も防ぐことができない。だから、狙われやすい。これは自業自得
だ。

 というのがあり、母である日本が主導権を握り、父のアメリカ
が口出しせず、子のアジア諸国が自由に交流できるようになれば、
目的が達成でき、それぞれが自分たちの得意分野に専念して共存
し、対立を解消できる。
 逆にアジア諸国が主導権を握り、日本がそれに従ってもよい。
 アメリカの口出しが問題を複雑にしていると考えられる。

―季節を加えた判断例、その2―

アメリカの関与するアジア情勢、その2


 その次の季節の秋をみると、

 「光光光 入入入」(秋の晴れた日)は亀裂。

31―光光光 入入入―凸凸凸 凹凹凹
 亀裂。
 乾いた大地にひびが入るように、堅い結びつきにもほころびが
出る。
 仲間割れや期待していた援助が受けられない。
 隙を突いてライバルに追い越される。
 亀裂が入るということは、大き過ぎるということ。
 無駄や無理なことに手を出していないか、背伸びをしすぎてい
ないかを調べ、ちゅうちょせず省いていく。
 1-3=-2:火曜日の午後***衝突する。敵味方の区別を
する。

¦¦¦||| 地天泰(ちてんたい)

○易経の解釈

 泰(たい)は、おごりということで、些細なことは遠ざけ、大
役を求める。やる気があり、得るものもある。

 初九は、根こそぎたいらげる。そして分類する。広く求めれば
得るものがる。
 九二は、したたかに、意表をついて、しかし、長期計画に沿っ
た行動で、競争相手を出し抜けば、主導権を握ることができる。
 九三は、安定の中にも混乱はあり、新しいものにも古い智恵が
いかされている。我慢して続けていれば、報われる。信じて疑う
ことがないように。食べていければそれでいいではないか。
 六四は、欲望にはきりがなく、近づこうと追いかけてしまう。
懲りないのが人の本性だ。
 六五は、幸福を得るためには手段を選ばない。それでこそ安泰
が約束される。
 上六は、おごり高ぶれば、いずれ地に落ちる。そのうぬぼれた
才能は役に立たない。意見を聞いて指示すること。自重して浪費
しないこと。


 「影光光 入入入」(秋の曇った日)は対峙。

39―影光光 入入入―凹凸凸 凹凹凹
 対峙。
 拮抗した力で勝敗が決まらず、相手の様子をうかがっている。
 先に手を出せば負ける。
 力づくではなく、話し合いで解決をはかり、策略を用いず、誠
実に対応する。
 -0-3=-3:水曜日の午後***突出する。力を得る。

|¦¦||| 山天大畜(さんてんたいちく)

○易経の解釈

 大畜(たいちく)は、大いにまし増やすということで、投資す
るのによい。しかし、余裕の分を投資すればよいが、生活費まで
使い果たすのはよくない。それをふまえて積極投資すとよい。

 初九は、投資するのは危険だ。手を出さないほうがいい。
 九二は、他人に左右されて、判断を誤る。
 九三は、よい投資先を探すこと。それは困難だろうが、投資で
失敗しない初歩的なことだ。時間をかけて熟練していけば、違い
が分かるようになる。
 六四は、初心者は安全な投資から始めよ。よい経験が得られる。
 六五は、よい投資に見えているだけだ。少しは得られるだろう。
 上九は、よい投資先が見つかる。そして大成する。

 となり、対立はいよいよ深刻になり、冷戦状態になる。

―季節を加えた判断例、その1―

アメリカの関与するアジア情勢、その1

 アメリカの関与するアジア情勢を考えてみる。
 「母子父の判断例」の日中問題を日本とアジア諸国の関係とし
て考える。
 この関係では、アメリカも影響力があるので、父をアメリカと
して、そのパートナーは日本なので母とし、子をアジア諸国とす
る。
 仮に関係がギクシャクして対立している「入入入」の状態とす
る。
 季節は夏とすると「光影影 入入入」か「光光影 入入入」に
なり、その意味をみる。

 「光影影 入入入」(夏の曇った日)は遭難。

15―光影影 入入入―凸凹凹 凹凹凹
 遭難。
 普段慣れた場所でも霧が濃くなれば迷う。
 信頼していた人に裏切られるような気がする。
 だけど本当は自分が裏切っている。
 優しい嘘に惑わされないように。
 2-3=-1:月曜日の午後***散らばる。小さく弱い存在。

¦||||| 沢天夬(たくてんかい)

○易経の解釈

 夬(かい)は決断ということで、自ら行動しなければいけなく
なる。だから正しいことでも罵声をあびせられたり、危ないめに
あうかもしれない。まずは手本を示す。あせって強引な手段を使っ
てはいけない。そうすれば行動してもなしとげられる。

 初九は、勇み足になっている。行動しても成果は得られず、損
失がある。
 九二は、警戒を厳重にしておく。だから不測の事態にも対処で
きる。
 九三は、余計なことにまで首を突っ込んでいる。だから痛いめ
にあう。退く決断もひつようだ。誰にも認められず、馬鹿にされ
ることがあったとしても、それは汚点にはならない。
 九四は、言っていることに根拠がない。だから決断ができない
のだ。もう一度、最初から手順をふめば、間違いにも気づくだろ
う。そうしなければ誰も従わない。
 九五は、馴れ合いになり、抜け出れなくなっている。それを断
ち切るべきだ。かたよらず中立の立場になることだ。
 上六は、情けをかけたり、未練を残すな。そうしないと結果は
最悪になる。


 「光光影 入入入」(夏の晴れた日)は修復。

23―光光影 入入入―凸凸凹 凹凹凹
 修復。
 骨折した部分は治ると前よりも強固になる。
 失敗を教訓とする。
 いがみ合うのはお互いに意識しているからだ。
 足らないところを補いながら行動すれば成果を得られる。
 3-3=-0:日曜日の午後***揺さぶられる。影響を受け
る。

¦¦|||| 雷天大壮(らいてんたいそう)

○易経の解釈

 大壮は真っ盛りということで、積極果敢にすればいい。

 初九は、部下のほうに勢いがある。押されて行動すれば、失敗
するのは、目に見えている。
 九二は、勢いに乗って得るものがある。
 九三は、凡人は勢いだけで動き、賢人は動かず智恵を使う。悪
いことではないが、危なっかしい。見境もなく動けば、混乱にま
きこまれて、退くこともできなくなる。
 九四は、目標に向かって突き進めば、達成できるだろう。障害
は何もない。もっと勢いが増すだろう。
 六五は、流れが変わって勢いを失う。それでも惜しくはない。
 上六は、考えなく動いて、罠にひっかかり、逃れることができ
なくなっている。だから、得るものはなにもない。すべてを失う
覚悟を決めれば、好転させることができる。

 となり、遭難して迷いながら、関係の修復を試みている。

2013年1月25日金曜日

64―影影光 入入出―凹凹凸 凹凹凸

 夢遊。
 夢の中でさまよう。
 現実から逃避し、過去の思い出や幻想に向かう。
 夢の中の行動なので危険はない。
 突拍子もないものが誕生する。
 -1-1=-2:火曜日の午後***衝突する。敵味方の区別
をする。

||¦||¦ 巽為風(そんいふう)

○易経の解釈

 巽(そん)は、揃うということで、とりあえず問題はない。実
行してもいいだろう。慎重にするのがいい。

 初六は、明瞭にすること。指示に従い揃っていることが大事だ。
 九二は、欠点のある者ばかりが揃っている。学者にこまめな指
導をさせれば、役立つようになり、問題はない。
 九三は、心配して揃う。不安が増す。
 六四は、快く揃う。協力し合って、予想以上に多くを得る。
 九五は、揃って話をすれば、理解し合える。意思の疎通がよく
なる。誤解がいつまでも続くわけがはない。協調するには、一緒
に事にあたり、力を出し尽くすことだ。そうすれば、呉越同舟と
なり達成できる。
 上九は、欠点のある者ばかりが揃っている。だから、軍資金や
武器を無駄にすることになる。多勢でも負けてしまう。

○易経の読み下し文

 巽(そん)は、小しく亨る。往くところあるに利ろし。大人を
見るに利ろし。

 初六は、進み退(しりぞ)く。武人の貞に利ろし。
 九二は、巽(したが)いて牀下(しょうか)に在り。史巫(し
ふ)を用うること紛若(ふんじゃく)たれば、吉にして、咎なし。
 九三は、頻(しきり)に巽(したが)う。吝なり。
 六四は、悔亡ぶ。田(かり)して三品を獲たり。
 九五は、貞しければ吉にして悔亡ぶ。利ろしからざることなし。
初めなくして終わりあり。庚(こう)に先だつこと三日、庚に後
(おく)るること三日。吉なり。
 上九は、巽いて牀下に在り。その資斧(しふ)を喪(うしな)
う。貞しけれども凶なり。

○易経の原文

 巽、小亨。利有攸往。利見大人。

 初六、進退。利武人之貞。
 九二、巽在牀下。用史巫紛若、吉无咎。
 九三、頻巽。吝。
 六四、悔亡。田獲三品。
 九五、貞吉悔亡。无不利。无初有終。先庚三日、後庚三日。
吉。
 上九、巽在牀下。喪其資斧。貞凶。

63―影影光 入入入―凹凹凸 凹凹凹

 完璧。
 雪が高く積もり壁のように硬く凍った状態。
 降った時にはやわらかい雪も凍れば固く厄介なものになる。
 憎しみが積もれば問題が解決しても、しこりが残る。
 完璧は柔軟さを奪い、行動を鈍くする。
 -1-3=-4:木曜日の午後***移動する。経験して知識
を得る。

||¦||| 風天小畜(ふうてんしょうちく)

○易経の解釈

 小畜(しょうちく)は、わずかしか増やすことができないとい
うことで、可もなく不可もない、ちょうど良い状態。準備は整っ
ているが、まだ実行する機会ではなく、自分のよく知る郊外の寂
れた地域から始める。

 初九は、訓練して戻る。この間、大いに失敗しておくことだ。
良い経験になる。
 九二は、強引に戻す。引き返す勇気がある。
 九三は、他人に左右されて、判断を誤る。信頼がなくなり、意
思の疎通ができなくなる。
 六四は、誠意を示す。勢いが弱まり、冷静になる。たいした損
害にはならない。
 九五は、わがままにならないようにする。裕福になれば、誰で
も近づこうと追いかけてくるものだ。
 上九は、実行する機会がきて、誰かが先に実行している。それ
でも利益を増やそうと手を出している。経営者としては当然なの
だろうが危険なことだ。その価値は最高値にきている。どんなに
賢人でも実行すれば損害がでる。

○易経の読み下し文

 小畜(しょうちく)は、亨る。密雲あれど雨ふらず、我が西郊
よりす。

 初九は、復(かえ)ること道による。何ぞそれ咎あらん。吉な
り。
 九二は、牽(ひ)きて復る。吉なり。
 九三は、輿(くるま)、輻(とこしばり)を説(と)く。夫妻、
反目す。
 六四は、孚あり。血(いたみ)去り、惕(おそ)れ出づ。咎な
し。
 九五は、孚ありて攣如(れんじょ)たり。富みてその隣と以
(とも)にす。
 上九は、既に雨ふり、既に処(お)る。德の載(み)つるを尚
(たっと)ぶ。婦は貞なれど厲(あやう)し。月、望に幾(ちか)
し。君子も征けば凶なり。

○易経の原文

 小畜、亨。密雲不雨、自我西郊。

 初九、復自道。何其咎。吉。
 九二、牽復。吉。
 九三、輿說輻。夫妻反目。
 六四、有孚。血去惕出。无咎。
 九五、有孚攣如。富以其鄰。
 上九、旣雨旣處。尙德載。婦貞厲。月幾望。君子征凶。

62―影影光 入出入―凹凹凸 凹凸凹

 入魂。
 かたい絆で結ばれ、運命を共にする。
 過酷な状況にあると強い連帯感が生まれる。
 利害関係で結ばれていないので、引き離しにくい。
 逆境にならないとその力を発揮しない。
 -1-2=-3:水曜日の午後***突出する。力を得る。

||¦|¦| 風火家人(ふうかかじん)

○易経の解釈

 家人は、頭脳労働ということで、情報分析をすることだ。

 初九は、頭脳労働は、静かで落ち着いた場所でする。誰にも知
られてはいけない。
 六二は、誰も近づけないようにしておく。そこは補給をする場
所でもあるからだ。だから厳重に警戒しておくほうがいい。
 九三は、頭脳労働者は高慢になりがちだ。その態度を自ら反省
すれば協力しあえる。それを小者がやり込めたと喜んでいると、
いつか反撃にあう。
 六四は、頭脳労働を重視すること。そうすれば、多大な利益に
なる。
 九五は、代理の知恵を借りる。老いては子に従えということも
あり、よいことだ。
 上九は、命に関わるような重大時であれば、考えを強引に押し
通しても、結果的に得るものがある。

○易経の読み下し文

 家人は、女の貞しきに利ろし。

 初九は、閑(ふせ)いで家を有(も)つ。悔亡ぶ。
 六二は、遂(と)ぐるところなし。中饋(ちゅうき)に在り。
貞しくして吉なり。
 九三は、家人、嗃嗃(かくかく)たり。厲(はげ)しきを悔ゆ
れば吉なり。婦子、嘻嘻たれば、終には吝なり。
 六四は、家を富ます。大吉なり。
 九五は、王、仮(いた)りて家を有(も)つ。恤(うれ)うる
ことなくして吉なり。
 上九は、孚ありて威如たれば、終に吉なり。

○易経の原文

 家人、利女貞。

 初九、閑有家。悔亡。
 六二、无攸遂。在中饋。貞吉。
 九三、家人嗃嗃。悔厲吉。婦子嘻嘻、終吝。
 六四、富家。大吉。
 九五、王假有家。勿恤吉。
 上九、有孚威如、終吉。

61―影影光 入出出―凹凹凸 凹凸凸

 抑止。
 凍った湖を慎重に渡る。
 目標に近づくと慎重になり、力が発揮できなくなる。
 事前の調査がしっかりしていれば問題ない。
 欲を出し過ぎないこと。
 -1-0=-1:月曜日の午後***散らばる。小さく弱い存
在。

||¦|¦¦ 風山漸(ふうさんぜん)

○易経の解釈

 漸(ぜん)は、逆らうとういことで、間違っていることに従う
ことはなく、用心深く戻ればよい。自分の判断を信じることだ。

 初六は、多勢をかわして逆らう。意志が弱いと流される。何を
言われても聞く必要はない。
 六二は、多勢に団結して逆らう。苦楽を共にする。結束が深ま
る。
 九三は、多勢に後から続いて逆らう。他人の意見に流されてい
るだけで逆らうことができず、達成しても持続はできない。三日
天下になるだけだ。他人の意見を鵜呑みにしないことだ。
 六四は、多勢に無抵抗不服従で逆らう。勢いを弱めることがで
きる。誰も責めることができない。
 九五は、多勢に倍して逆らう。長期戦になる。そして最後には
はね返すことができる。逆らった方の勢いが増す。
 上九は、多勢に連なって逆らう。その先頭に立って指導し、皆
の手本となること。支援が得られる。

○易経の読み下し文

 漸(ぜん)は、女の帰(とつ)ぐに吉なり。貞しきに利ろし。

 初六は、鴻(かり)、干(みぎわ)に漸(すす)む。小子は厲
(あやう)し。言あれども、咎なし。
 六二は、鴻、磐(いわ)に漸む。飮食、衎衎(かんかん)たり。
吉なり。
 九三は、鴻、陸(くが)に漸む。夫は征きて復らず、婦は孕
(はら)みて育わず。凶なり。寇(あだ)を禦(ふせ)ぐに利ろ
し。
 六四は、鴻、木に漸む。あるいはその桷(たるき)を得る。咎
なし。
 九五は、鴻、陵(おか)に漸む。婦は三歳まで孕まず。これ終
に勝つことなし。吉なり。
 上九は、鴻、くもじに漸む。その羽、もって儀(ぎ)となすべ
し。吉なり。

○易経の原文

 漸、女歸吉。利貞。

 初六、鴻漸于干。小子厲。有言无咎。
 六二、鴻漸于磐。飮食衎衎。吉。
 九三、鴻漸于陸。夫征不復、婦孕不育。凶。利禦寇。
 六四、鴻漸于木。或得其桷。无咎。
 九五、鴻漸于陵。婦三歳不孕。終莫之勝。吉。
 上九、鴻漸于陸。其羽可用爲儀。吉。

60―影影光 出出出―凹凹凸 凸凸凸

 光門。
 並木の樹氷が門のように立ち輝いている。
 静寂につつまれ、すべての活動が停止する。
 汚れたものを覆い隠している。
 沈黙することで雄弁に語ることもある。
 -1+1=+0:日曜日の午前***無意識。夢の段階。

||¦¦¦¦ 風地観(ふうちかん)

○易経の解釈

 観(かん)は、循環ということで、何度きれいにしても汚れる
ことを繰り返す。因果応報だ。

 初六は、童心にかえる。息抜きにはよい。しかし、責任のある
立場では信頼をなくす。
 六二は、見直す。用心深くてよい。
 六三は、人生を振り返って、目標を決める。
 六四は、世界の行く末を巡らす。それを生活や経営に役立てる。
 九五は、人生を振り返る。賢人の習慣だ。
 上九は、他人の人生も振り返る。これも賢人の習慣だ。

○易経の読み下し文

 観(かん)は、盥(てあら)いて薦(すす)めず。孚ありて顒
若(ぎょうじゃく)たり。

 初六は、童を観(み)る。小人は咎なし。君子は吝なり。
 六二は、闚(うかが)い観る。女の貞に利ろし。
 六三は、我が生を観て進退す。
 六四は、国の光を観る。もって王の賓たるに利ろし。
 九五は、我が生を観る。君子なれば咎なし。
 上九は、その生を観る。君子なれば咎なし。

○易経の原文

 觀、盥而不薦。有孚顒若。

 初六、童觀。小人无咎。君子吝。
 六二、闚觀。利女貞。
 六三、觀我生進退。
 六四、觀國之光。利用賓于王。
 九五、觀我生。君子无咎。
 上九、觀其生。君子无咎。

59―影影光 出出入―凹凹凸 凸凸凹

 忍耐。
 雪に閉ざされて何も得られない状態。
 蓄えがあってもいずれなくなる。
 こういう時に真価が問われる。
 限界を知れば、将来、貴重な財産になる。
 -1+3=+2:火曜日の午前***軌道に乗る。目標を見つ
ける。

||¦¦¦| 風雷益(ふうらいえき)

○易経の解釈

 益(えき)は、こぼれるということで、勢いよく移動する。大
事業を始める好機だ。

 初九は、長い間、練った計画を実行にうつす。多大な成果があ
り、順調にはかどる。
 六二は、こぼれたものに価値をみいだす。そうすれば、利益は
増大する。持続して長い間、得ることができる。知恵を使って、
普通の物に付加価値をつける。だから、差益が出るのだ。
 六三は、勢いをつけるには、危機がせまっていることに気づか
せればいい。嘘偽りがないということは、図や画像で公開して説
明すればいい。
 六四は、嘘偽りがなければ、世論に訴えれば、協力してくれる。
あとは、その勢いにのって大きく変革することができる。
 九五は、こぼれる物は、訳を話して快く配布する。疑われるこ
となく信頼を得られる。金銭、物品の利益を得るのではなく、心
が豊かになることを利益とする。
 上九は、こぼすことはしない。それどころか、こぼれそうな物
は捨てる。良心のかけらもない。これでは、非難されるだけだ。

○易経の読み下し文

 益(えき)は、往くところあるに利ろし。大川を渉るに利ろし。

 初九は、もって大作をなすに利ろし。元いに吉なれば、咎なし。
 六二は、あるいはこれを益す。十朋(じっぽう)の亀も違(た
ご)うこと克(あた)わず。永貞なれば吉なり。王、もって帝に
享(きょう)す。吉なり。
 六三は、これを益すに凶事を用うれば、咎なし。孚ありて中行
なれば、公に告ぐるに圭(けい)を用う。
 六四は、中行なれば、公に告げて従わる。もって依ることをな
し国を遷すに利ろし。
 九五は、孚ありて惠心(けいしん)あり。問うことなくして元
いに吉なり。孚ありて我が德を惠とす。
 上九は、これを益すことなし。あるいはこれを擊つ。心を立つ
ること恒(つね)なし。凶なり。

○易経の原文

 益、利有攸往。利渉大川。

 初九、利用爲大作。元吉、无咎。
 六二、或益之。十朋之龜弗克違。永貞吉。王用享于帝。吉。
 六三、益之用凶事、无咎。有孚中行、告公用圭。
 六四、中行告公從。利用爲依遷國。
 九五、有孚惠心。勿問元吉。有孚惠我德。
 上九、莫益之。或擊之。立心勿恆。凶。

58―影影光 出入入―凹凹凸 凸凹凹

 保全。
 自然界に安全な場所は、どこにもない。
 それでも幼いものが成長できるのは、災いを防ぐ能力を身につ
けているからで、親の経験に依存している。
 自然には変化があり、流れがある。
 そこに身を守るポイントがある。
 -1+2=+1:月曜日の午前***光に照らされる。認識さ
れる。

||¦¦|| 風沢中孚(ふうたくちゅうふ)

○易経の解釈

 中孚(ちゅうふ)は、公平に育てるということで、心血をそそ
いで健康にすればよい。大胆に実行してかまわない。自信をもっ
ていい。

 初九は、よく話を聞き、楽しめば得るものがある。いらだって
いては、不安になるだけだ。
 九二は、賢人が誰にも知られずひっそりと暮らし、伝統が受け
継がれている。こうした立派な人がうもれている。私ならこうし
た立派な人に指導を乞うだろう。
 六三は、反抗される。ある時には殴りあい、ある時には追い出
し、ある時には受け流し、ある時には説教をする。
 六四は、才能が芽生えている。だから、優劣の差がでる。しか
し、それは個性であり問題はない。
 九五は、わがままにならないようにしつける。自由にさせなく
ても問題ない。
 上九は、不平不満が世間に聞こえてくる。平静を保っていても
災いは近づいている。

○易経の読み下し文

 中孚(ちゅうふ)は、豚魚(とんぎょ)にして吉なり。大川を
渉るに利ろし。貞しきに利ろし。

 初九は、虞(やす)んずれば吉なり。他あれば燕(やす)から
ず。
 九二は、鳴く鶴、陰(いん)に在り、その子、これを和す。我
に好爵(こうしゃく)あり。吾(われ)、爾(なんじ)とこれに
靡(なび)かん。
 六三は、敵を得たり。あるいは鼓(つづみう)ち、あるいは罷
(や)め、あるいは泣き、あるいは歌う。
 六四は、月、望に幾(ちか)し。匹馬(ひつば)を亡う。咎な
し。
 九五は、孚ありて攣如(れんじょ)たり。咎なし。
 上九は、翰音(かんおん)、天に登る。貞しけれども凶なり。

○易経の原文

 中孚、豚魚吉。利渉大川。利貞。

 初九、虞吉。有他不燕。
 九二、鳴鶴在陰、其子和之。我有好爵。吾與爾靡之。
 六三、得敵。或鼓或罷、或泣或歌。
 六四、月幾望。馬匹亡。无咎。
 九五、有孚攣如。无咎。
 上九、翰音登于天。貞凶。

57―影影光 出入出―凹凹凸 凸凹凸

 解散。
 氷が割れ分裂していく。
 価値観の違いや多様化により、新しい勢力が力をつける。
 古い勢力が危機感をもって抵抗するが無駄。
 潔く引退するほうがいい。
 -1+0=-1:月曜日の午後***散らばる。小さく弱い存
在。

||¦¦|¦ 風水渙(ふうすいかん)

○易経の解釈

 渙(かん)は、ぶつかり砕けるということで、一旦、付いたも
のが離れていく。権力者の代理が取り仕切る。強引にやっていく
しかない。そうすれば安定するだろう。

 初六は、代理する者に指導力があれば、順調にいく。
 九二は、有事には、基本に立ち返り、専念する。失うものはな
にもない。
 六三は、自ら排除する。整理してすっきりする。
 六四は、集団を解散させる。主導権を握ることができる。しか
し、一時的に利益を失うことになる。集団で安心していた者は思っ
てもみないことだ。
 九五は、有事には、はっきりと指示をだし、毅然とした態度で
揺るがない。代理する者が、他と意見対立しても、問題はない。
 上九は、縁者と離れ、遠方の地で自立する。後腐れがない。

○易経の読み下し文

 渙(かん)は、亨る。王あり、廟(びょう)に仮(いた)る。
大川を渉るに利ろし。貞しきに利ろし。

 初六は、もって拯(すく)うに馬、壮(さか)んなれば、吉な
り。
 九二は、渙のとき、その机(き)に奔(はし)る。悔亡ぶ。
 六三は、その躬(きゅう)を渙(ち)らす。悔なし。
 六四は、その群を渙らす。元いに吉なり。渙るときは丘(あつ
ま)ることあり。夷(つね)の思うところにあらず。
 九五は、渙のとき、その大号を汗にす。王として居を渙らすも、
咎なし。
 上九は、その血を渙らし、去りて逖(とお)く出づ。咎なし。

○易経の原文

 渙、亨。王假有廟。利渉大川。利貞。

 初六、用拯馬壯、吉。
 九二、渙奔其机。悔亡。
 六三、渙其躬。无悔。
 六四、渙其羣。元吉。渙有丘。匪夷所思。
 九五、渙汗其大號。渙王居无咎。
 上九、渙其血、去逖出。无咎。

56―影影影 入入出―凹凹凹 凹凹凸

 啓発。
 親が子をさとし導く。
 安全を確認しながら行動をする。
 スピ―ドは遅いが、結果的には何よりも速く確実。
 先を急がないこと。
 -3-1=-4:木曜日の午後***移動する。経験して知識
を得る。

|||||¦ 天風姤(てんぷうこう)

○易経の解釈

 姤(こう)は、輩出するとうことで、人材があふれる。その人
材を拘束してはいけない。

 初六は、優秀な人材を確保する。それらの者は発展に貢献する。
しかし、これがいきすぎると衰退する。優秀な人材ばかりだと扱
いにくく、誰も指導することができない。
 九二は、身元を保証する。問題はない。しかし、厚遇するのは
よくない。
 九三は、根拠なく人材を集める。だから意見がまとまらず、決
断ができないのだ。行き詰まるが、大損害にはならない。
 九四は、身元が分からないものを保証する。こんなことをすれ
ば禍がある。
 九五は、自分を可愛がって守ろうとする。それを露骨に公言す
れば、権威が失墜する。
 上九は、突出して輩出する。恨まれるが、悪いことではない。

○易経の読み下し文

 姤(こう)は、女が壮(さか)んなり。女を取(めと)るに用
うることなかれ。

 初六は、金柅(きんじ)に繫(つな)ぐ。貞しくして吉なり。
往くところあれば、凶を見る。羸豕(るいし)、孚に蹢躅(てき
ちょく)たり。
 九二は、包(つと)に魚あり。咎なし。賓(ひん)に利ろしか
らず。
 九三は、臀(しり)に膚(はだえ)なし。その行くこと次且
(ししょ)たり。厲(あやう)けれども大いなる咎はなし。
 九四は、包に魚なし。起こせば凶なり。
 九五は、杞(き)をもって瓜を包む。章(あや)を含めば、天
より隕(お)つることあり。
 上九は、その角に姤(あ)う。吝なれども咎なし。

○易経の原文

 姤、女壯。勿用取女。

 初六、繫于金柅。貞吉。有攸往、見凶。羸豕孚蹢躅。
 九二、包有魚。无咎。不利賓。
 九三、臀无膚。其行次且。厲无大咎。
 九四、包无魚。起凶。
 九五、以杞包瓜。含章、有隕自天。
 上九、姤其角。吝无咎。

55―影影影 入入入―凹凹凹 凹凹凹

 発芽。
 雪の中から双葉が芽を出した状態。
 雪を割り、双葉となって分かれる。
 古い建物を取り壊し、新築する。
 建物は新しくなったが、土台が新しくなったわけではない。
 -3-3=-6:土曜日の午後***上昇する。気が抜ける。

|||||| 乾為天(けんいてん)

○易経の解釈

 乾(けん)は、充満ということで、力がみなぎり、発散する準
備が整っているので、活用してよい。

 初九は、隠れて悪知恵を働かせようとしている。こうしたやり
方はよくない。
 九二は、知恵を働かせて考え、計画を立てる。壮大な計画を立
てるとよい。
 九三は、賢人は知恵を有効に使い、後で間違っていないかと反
省している。用心深く、謙虚な者だ。
 九四は、知恵を試して情報を集める。失敗も情報の一つだ。
 九五は、知恵を発揮して、広く伝える。大勢の人のために役立
てることだ。
 上九は、知恵を誇示して、恨まれる。
 用九は、この卦はすべてが陽なので、一から十のうち、奇数だ
けを足して、一桁の数で一番大きい九(一+三+五=九)の影響
だけがある。九は皆が知恵を出しあって、権力者一人の判断に頼
らない。正しく力を発揮する。

○易経の読み下し文

 乾(けん)は、元いに亨りて、貞しきに利ろし。

 初九は、潛龍(せんりゅう)なり。用うることなかれ。
 九二は、見龍、田に在り。大人を見るに利ろし。
 九三は、君子、終日乾乾し、夕べに惕若(てきじゃく)たり。
厲(あや)うけれども咎なし。
 九四は、あるいは躍(おど)りて淵(ふち)に在り。咎なし。
 九五は、飛龍、天に在り。大人を見るに利ろし。
 上九は、亢龍(こうりゅう)、悔あり。
 用九は、群龍(ぐんりゅう)、首(かしら)なきを見る。吉な
り。

○易経の原文

 乾、元亨利貞。

 初九、潛龍。勿用。
 九二、見龍在田。利見大人。
 九三、君子終日乾乾、夕惕若。厲无咎。
 九四、或躍在淵。无咎。
 九五、飛龍在天。利見大人。
 上九、亢龍有悔。
 用九、見羣龍无首。吉。

54―影影影 入出入―凹凹凹 凹凸凹

 放漫。
 雪に閉ざされ行き来ができない。
 遠距離でチェックができないのをいいことに好き勝手にやって
いる。
 だが悪いことはすぐに見つかる。
 誠実でないと身を滅ぼす。
 -3-2=-5:金曜日の午後***燃え上がる。きっかけを
つかむ。

||||¦| 天火同人(てんかどうじん)

○易経の解釈

 同人は、共感するということで、しいたげられた者は共感する。
そして、一致団結する。今こそ行動する時だ。賢人の教えに従え。

 初九は、同門は共感する。結束がかたい。
 六二は、派閥は共感する。他を排除し、偏る。
 九三は、外部の者に狙われていることに気づかず、その者を重
職に就ける。長い間、何も成し遂げられない。
 九四は、順調だが連携ができず、思いきった攻勢に出ることは
できない。しかし、得るものはある。
 九五は、まず、声を上げて共感するものを集め、祭りなどで一
体感を得る。大勢を従えて導き、目的を達成する。
 上九は、祭りで共感する。不満を解消する。

○易経の読み下し文

 人に同じくするに野においてす。亨る。大川を渉るに利ろし。
君子の貞しきに利ろし。

 初九は、人に同じくするに門においてす。咎なし。
 六二は、人に同じくするに宗(そう)においてす。吝なり。
 九三は、戎(つわもの)を莽(くさむら)に伏せ、その高陵に
升(のぼ)る。三歳まで興(おこ)らず。
 九四は、その墉(かき)に乗るも、攻むること克(あた)わず。
吉なり。
 九五は、人に同じくするに先には号(な)き咷(さけ)び、後
には笑う。大師、克(か)ちて相い遇う。
 上九は、人に同じくするに郊においてす。悔なし。

○易経の原文

 同人于野。亨。利渉大川。利君子貞。

 初九、同人于門。无咎。
 六二、同人于宗。吝。
 九三、伏戎于莽、升其高陵。三歳不興。
 九四、乘其墉、弗克攻。吉。
 九五、同人、先號咷而後笑。大師克相遇。
 上九、同人于郊。无悔。

53―影影影 入出出―凹凹凹 凹凸凸

 解放。
 猟犬が狩場に解き放たれる。
 広範囲に情報を集めるためには、集団を自由に行動させる必要
がある。
 集まった情報が重要なのではなく、探す行動が重要。
 何を観て、何を感じるかだ。
 -3-0=-3:水曜日の午後***突出する。力を得る。

||||¦¦ 天山遯(てんざんとん)

○易経の解釈

 遯(とん)は、追跡するということで、情報が集まる。それに
は、目立たないように行動することだ。

 初六は、しっぽをつかむ。知られると危険だ。だから、むやみ
やたらに情報を漏らさないこと。
 六二は、情報を集めるのは、あらためるためだ。相手を説得す
るのに、これに勝るものはない。
 九三は、情報に振り回される。古かったり、間違った情報に騙
される。心を許した身近な者の情報を集めたほうがいい。
 九四は、都合のよい情報を得る。賢人は鵜呑みにし、凡人は疑
う。
 九五は、貴重な情報を得る。効果があり、役に立つ。
 上九は、有益な情報を得る。広範囲に利用価値がある。

○易経の読み下し文

 遯(とん)は、亨る。小なれば貞しきに利ろし。

 初六は、遯尾なり。厲(あやう)し。往くところあるに用うる
ことなかれ。
 六二は、これを執(とら)うるに黄牛の革を用う。これを説く
に勝うることなし。
 九三は、遯に係(つな)がる。疾(やまい)ありて厲(あやう)
し。臣妾を畜(やしな)うには吉なり。
 九四は、好(よみ)すれど遯(のが)す。君子は吉、小人は否
(しか)らず。
 九五は、嘉(よ)く遯る。貞しくして吉なり。
 上九は、肥(ゆた)かに遯る。利ろしからざることなし。

○易経の原文

 遯、亨。小利貞。

 初六、遯尾。厲。勿用有攸往。
 六二、執之用黄牛之革。莫之勝說。
 九三、係遯。有疾厲。畜臣妾吉。
 九四、好遯。君子吉、小人否。
 九五、嘉遯。貞吉。
 上九、肥遯。无不利。

52―影影影 出出出―凹凹凹 凸凸凸

 周知。
 静けさの中では小さな音も響き渡る。
 周りと逆の行動をすれば目立つ。
 常識は流行と同じで、時がたてば変わる。
 変わらないものなどありえない。
 -3+1=-2:火曜日の午後***衝突する。敵味方の区別
をする。

|||¦¦¦ 天地否(てんちひ)

○易経の解釈

 否は、反論するということで、窮地に立って、命がけで抵抗し
ている「窮鼠、猫を噛む」の状態だ。使用者に責任がある。使用
者は衰退し、労働者が勢いを増す。

 初六は、根こそぎたいらげる。そして分類する。善悪をよく判
断して対応すれば、解決できる。
 六二は、すべて承知する。労働者の要求が受け入れられる。使
用者は不満だが、拒めない。
 六三は、要求するのではなく提案をする。
 九四は、仲裁を受け入れれば、回避できる。お互いに距離をお
いて、冷静になるべきだ。
 九五は、抵抗を中止する。使用者は助かる。強く要求しすぎて、
仕事そのものがなくなっては意味がないので、収入源は潰せない。
 上九は、新しい提案などで、抵抗をそらす。最初は不満が残る
が、やがては満足する。

○易経の読み下し文

 否は、これ人にあらず。君子の貞に利ろしからず。大往き、小
来る。

 初六は、茅(ちがや)を抜くに茹(じょ)たり。その彙(たぐ
い)を以(とも)にす。貞なれば吉にして亨る。
 六二は、包承(ほうしょう)す。小人は吉なり。大人は否にし
て亨る。
 六三は、羞(はじ)を包む。
 九四は、命あれば咎なし。疇(たぐい)、祉(さいわい)に離
(つ)く。
 九五は、否を休(や)む。大人は吉なり。それ亡びなん、それ
亡びなんとて、苞桑(ほうそう)に繫(かか)る。
 上九は、否を傾く。先には否(ふさ)がり、後には喜ぶ。

○易経の原文

 否之匪人。不利君子貞。大往小來。

 初六、拔茅茹。以其彙。貞吉亨。
 六二、包承。小人吉。大人否亨。
 六三、包羞。
 九四、有命无咎。疇離祉。
 九五、休否。大人吉。其亡其亡、繫于苞桑。
 上九、傾否。先否後喜。

51―影影影 出出入―凹凹凹 凸凸凹

 震動。
 雪崩が起こり、地響きがする状態。
 何もかも清算される。
 生き延びたものだけが新しい旅立ちをしなければならない。
 覚悟すること。
 -3+3=+0:日曜日の午前***無意識。夢の段階。

|||¦¦| 天雷无妄(てんらいむぼう)

○易経の解釈

无妄(むぼう)は、何も無いということで、すべての始まりで
あり、自由自在になる。しかし、無秩序ということでもあり、何
が起きても不思議ではない。かえって行動はしにくい。

 初九は、失うものは何もない。行動すれば、すべて経験となる。
 六二は、働いても成果はなく、貧乏なままで豊かにならないな
ら、移住したほうがいい。
 六三は、思いもしない災難にあう。そして、行動が制限される。
貿易や行商は利益になるが、地場産業は衰退する。
 九四は、決断すること。なんとかなるものだ。
 九五は、思いもしない病気になる。薬は効果がなく、食事療法
に頼るしかない。
 上九は、得るものは何もない。やみくもに行動しても迷うだけ
だ。いいことはない。

○易経の読み下し文

 无妄(むぼう)は、元いに亨り、貞しきに利ろし。それ正しき
にあらざれば眚(わざわ)いあり。往くところあるに利ろしから
ず。

 初九は、无妄なり。往けば吉なり。
 六二は、耕穫(こうかく)せず、菑畬(しよ)せざれば、すな
わち往くところあるに利ろし。
 六三は、无妄の災いあり。あるいはこれが牛を繫(つな)ぐ。
行人の得るは、邑人の災いなり。
 九四は、貞にすべし。咎なし。
 九五は、无妄の疾(やまい)あり。薬することなくして喜びあ
り。
 上九は、无妄なり。行けば眚(わざわ)いあり。利ろしきとこ
ろなし。

○易経の原文

 无妄、元亨利貞。其匪正有眚。不利有攸往。

 初九、无妄。往吉。
 六二、不耕穫、不菑畬、則利有攸往。
 六三、无妄之災。或繫之牛。行人之得、邑人之災。
 九四、可貞。无咎。
 九五、无妄之疾。勿藥有喜。
 上九、无妄。行有眚。无攸利。

2013年1月19日土曜日

50―影影影 出入入―凹凹凹 凸凹凹

 侵食。
 山が削られて谷ができる。
 蓄えていたものが使われ、減っていく。
 浪費しているわけではなく、有効に使われて利益になっている
ので問題はない。
 蓄えたものは使わなければ腐る。
 -3+2=-1:月曜日の午後***散らばる。小さく弱い存
在。

|||¦|| 天沢履(てんたくり)

○易経の解釈

 履(り)は、踏み越えるということで、危険を乗り越えて、先
駆けとなる。快調だ。

 初九は、前人未到に挑む。実行に障害なし。
 九二は、順調に計画が実行され、障害もない。競争相手がいな
いので、順調なのだ。
 六三は、能力以上のことに挑戦しようとしている。そんな危険
を冒しても、人に好評かされない。命とりになるだけだ。人の先
を行く者だけが、大業を成し遂げられるのだ。
 九四は、危険を乗り越える。協力を求め、用心深く対処すれば、
達成できる。
 九五は、決まりに従い踏み越える。他人に左右され、自らの能
力を考慮しないので、困難にあう。
 上九は、踏み越えた経験から、成功する方法を検討する。これ
を繰り返していけば、成功に近づく。

○易経の読み下し文

 虎の尾を履(ふ)むも、人を咥(くら)わず。亨る。

 初九は、素履(そり)す。往くも咎なし。
 九二は、道を履むこと坦坦たり。幽人、貞しくして吉なり。
 六三は、眇(すがめ)にして能く視るとし、跛(あしなえ)に
して能く履むとす。虎の尾を履めば、人を咥(くら)う。凶なり。
武人、大君となる。
 九四は、虎の尾を履む。愬愬(さくさく)たれば終には吉なり。
 九五は、夬(さだ)めて履む。貞しけれども厲(あやう)し。
 上九は、履むを視て祥(しょう)を考(かんが)う。それ旋
(めぐ)れば元いに吉なり。

○易経の原文

 履虎尾不咥人。亨。

 初九、素履。往无咎。
 九二、履道坦坦。幽人貞吉。
 六三、眇能視、跛能履。履虎尾咥人。凶。武人爲于大君。
 九四、履虎尾。愬愬終吉。
 九五、夬履。貞厲。
 上九、視履考祥。其旋元吉。

49―影影影 出入出―凹凹凹 凸凹凸

 蜂起。
 押さえつけていたものが弱まり、活動しやすくなる。
 新しい秩序の構築。
 周りから認められているわけではないので、優しく、分かりや
すく応対する。
 支持されることが先決。
 -3+0=-3:水曜日の午後***突出する。力を得る。

|||¦|¦ 天水訟(てんすいしょう)

○易経の解釈

 訟(しょう)は、宣伝するということで、真実を隠してしまう。
慎重に扱い、ほどほどにすればよいが、後に悪影響が残る。疑い
深く受け取るぐらいがいい。盲信して行動するのはよくない。

 初六は、宣伝はうるさく繰りかえさなければ、少し反発はある
が、いずれ効果がでる。
 九二は、やみくもに宣伝しても意味がない。減らしてじらす。
まずは、自分の身近な限られた地域に集中すれば、拒絶されない。
 六三は、家業を継げば宣伝をする必要がない。地道で発展は望
めないが、永続的な利益が見込める。たとえ、大事業を請け負っ
たとしても、宣伝にはならない。
 九四は、宣伝にならない。自らを省みて、本業に専念し、心を
入れかえて、慎ましくしていれば、それが宣伝になる。
 九五は、宣伝効果でにぎわう。
 上九は、他の知名度を利用して宣伝しても、すぐに売名行為だ
とばれ、信用をなくす。

○易経の読み下し文

 訟(しょう)は、孚(まこと)あれども窒(ふさ)がる。惕
(おそ)れて中なれば吉、終われば凶なり。大人を見るに利ろし。
大川を渉るに利ろしからず。

 初六は、事とするところを永くせざれば、小しく言あれども、
終には吉なり。
 九二は、訟えを克(か)たず。帰りて逋(のが)る。その邑人、
三百戸なれば、眚(わざわ)いなし。
 六三は、旧德に食む。貞なれば厲(あやう)けれども、終には
吉なり。あるいは王事に従うとも、成すことなし。
 九四は、訟えを克たず。復(かえ)りて命に即(つ)き、渝
(か)えて、貞しきに安んずれば吉なり。
 九五は、訟え、元(おお)いに吉なり。
 上九は、あるいはこれに鞶帶(はんたい)を錫(たま)わるも、
朝を終ゆるまでに三たびこれを褫(うば)わる。

○易経の原文

 訟、有孚窒。惕中吉、終凶。利見大人。不利渉大川。

 初六、不永所事。小有言、終吉。
 九二、不克訟。歸而逋。其邑人三百戶、无眚。
 六三、食舊德、貞厲終吉。或從王事、无成。
 九四、不克訟。復卽命、渝安貞吉。
 九五、訟、元吉。
 上九、或錫之鞶帶、終朝三褫之。

48―影光影 入入出―凹凸凹 凹凹凸

 包容。
 困難な時に助けられ導かれる。
 援助が必要ということは、力がないということだ。
 助けられたからといって甘えてはいけない。
 いつかは助ける側になるように。
 -2-1=-3:水曜日の午後***突出する。力を得る。

|¦|||¦ 火風鼎(かふうてい)

○易経の解釈

 鼎(てい)は、三すくみということで、三者が欠点を補って安
定している。

 初六は、権力者が交代して改革がおこなわれる。不満を解消で
きる。それには異端者を加えること。そうすれば刷新できる。
 九二は、安定して充実している。相手が自滅する。こちらが手
出しする必要はない。有利な立場だ。
 九三は、お互いの意思疎通が途絶え、交流もできなくなる。近
くに行っても様子が分からない。争いになりかけたが知らせが届
き、誤解が解ける。結果的には信頼が強固になる。
 九四は、権力者が倒れ、契約が破棄されれて不安定になる。混
沌としてくる。危機的な状態だ。
 六五は、お互いの意思疎通がよくおこなわれている。安定した
関係だ。
 上九は、お互いの結束が固い。何事にも揺るがず、得るものが
多い。

○易経の読み下し文

 鼎(てい)は、元いに吉にして亨る。

 初六は、鼎(かなえ)、趾(あし)を顚(さか)しまにす。否
を出だすに利ろし。妾を得てその子に以(およ)ぶ。咎なし。
 九二は、鼎に実あり。我が仇に疾(にく)むことあり。我に即
(つ)く能(あた)わず。吉なり。
 九三は、鼎の耳、革(あらた)まり、その行、塞(ふさ)がる。
雉(きじ)の膏(こう)、食らわれず。方(まさ)に雨ふらんと
して悔を虧(か)く。終には吉なり。
 九四は、鼎、足を折り、公の餗(そく)を覆(くつが)えす。
その形、渥(あく)たり。凶なり。
 六五は、鼎、黄耳、金鉉あり。貞しきに利ろし。
 上九は、鼎、玉鉉あり。大吉にして利ろしからざることなし。

○易経の原文

 鼎、元吉亨。

 初六、鼎顚趾。利出否。得妾以其子。无咎。
 九二、鼎有實。我仇有疾。不我能卽。吉。
 九三、鼎耳革、其行塞。雉膏不食。方雨虧悔。終吉。
 九四、鼎折足、覆公餗。其形渥。凶。
 六五、鼎黄耳金鉉。利貞。
 上九、鼎玉鉉。大吉无不利。

47―影光影 入入入―凹凸凹 凹凹凹

 潜伏。
 風が強く、外に出られない。
 お互いにまぎれ混んで誰が敵か味方か分からない。
 混乱が静まるまで待たなければいけない。
 事前の打ち合わせをしっかりしておくこと。
 -2-3=-5:金曜日の午後***燃え上がる。きっかけを
つかむ。

|¦|||| 火天大有(かてんたいゆう)

○易経の解釈

 大有(たいゆう)は、二度あることは三度あるということで、
立て続けに起きる可能性がある。

 初九は、困難から逃げることはできない。特別なことではない。
悩むのは当たり前で、だから成長できる。
 九二は、問題が山積する。一つずつかたずけるしかない。
 九三は、公共事業は無欲奉仕でおこなうものだ。私利私欲では
できない。
 九四は、大騒ぎするほどのことはない。すぐに治まる。
 六五は、契約を交わしておくこと。厳格にしておけば安心だ。
 上九は、自然が味方する。悪いことがいつまでも続くわけがな
い。

○易経の読み下し文

 大有(たいゆう)は、元いに亨る。

 初九は、害に交(まじ)わることなし。咎にあらず。艱(なや)
めばすなわち咎なし。
 九二は、大車もって載す。往くところあるも咎なし。
 九三は、公、もって天子に亨す。小人は克(あた)わず。
 九四は、その彭(さかん)なるにあらず。咎なし。
 六五は、その孚(まこと)、交如たり。威如たれば、吉なり。
 上九は、天よりこれを祐(たす)く。吉にして利ろしからざる
ことなし。

○易経の原文

 大有、元亨。

 初九、无交害。匪咎。艱則无咎。
 九二、大車以載。有攸往无咎。
 九三、公用亨于天子。小人弗克。
 九四、匪其彭。无咎。
 六五、厥孚、交如。威如、吉。
 上九、自天祐之。吉无不利。

46―影光影 入出入―凹凸凹 凹凸凹

 内包。
 奪われそうになるのをしっかりと抱きかかえている。
 欲が深いと身を滅ぼす。
 仲間を失い悪い噂が広まる。
 リスクを分散して、被害を最小限に食い止める。
 -2-2=-4:木曜日の午後***移動する。経験して知識
を得る。

|¦||¦| 離為火(りいか)

○易経の解釈

 離(り)は、美しいということで、心が安らぐ。魅了される。
作法を身につければ、さらに際立つ。

 初九は、人に教えを乞う時は、礼儀をわきまえること。誰でも
敬えば、悪い気はしない。
 六二は、まぶしく美しいので、価値が高まる。
 九三は、美しさにもかげりがある。だから、別の才能を示さな
ければ、いずれ誰にも見向きもされず孤立する。油断大敵だ。
 九四は、取りつくろった美しさを自慢する。それは、一時だけ
燃える炎であり、やがては燃えかすのように正体を現し、厄介者
となる。
 六五は、涙がとめどなく流れる。声をもらして悲しむ。作為が
ないから美しいく、だから惹かれる。
 上九は、魅力がきわまって行動を起す。だから、皆に快く迎え
られて、主導権を握ることができる。その後の行いが以前と同じ
ような憎まれるものでなければ、反発は起きない。

○易経の読み下し文

 離(り)は、貞しきに利ろし。亨る。牝牛を畜(やしな)えば、
吉なり。

 初九は、履(ふ)むこと錯然(さくぜん)たり。これを敬すれ
ば咎なし。
 六二は、黄離、元いに吉なり。
 九三は、日、昃(かたむ)くの離なり。缶(ほとぎ)を鼓(う)
ちて歌わざれば、すなわち大耋(だいてつ)の嗟(なげき)あら
ん。凶なり。
 九四は、突如としてそれ来如たり。焚如たり、死如たり、棄如
たり。
 六五は、涕(なみだ)を出だすこと沱若(たじゃく)たり。戚
(いた)むこと嗟若(さじゃく)たり。吉なり。
 上九は、王、もって出征す。嘉(よ)きことありて首を折(く
じ)く。獲(う)るものその醜(たぐい)にあらざれば、咎なし。

○易経の原文

 離、利貞。亨。畜牝牛吉。

 初九、履錯然。敬之无咎。
 六二、黄離、元吉。
 九三、日昃之離。不鼓缶而歌、則大耋之嗟。凶。
 九四、突如其來如。焚如、死如、棄如。
 六五、出涕沱若。戚嗟若。吉。
 上九、王用出征。有嘉折首。獲匪其醜、无咎。

2013年1月18日金曜日

45―影光影 入出出―凹凸凹 凹凸凸

 帰省。
 災害に遭い、故郷が心配になる。
 足元がぐらついて不安になる。
 良いことが続いても臆病風に吹かれる。
 気になることがあれば、よく確かめることだ。
 -2-0=-2:火曜日の午後***衝突する。敵味方の区別
をする。

|¦||¦¦ 火山旅(かざんりょ)

○易経の解釈

 旅(りょ)は、集結するということで、争乱の兆しがある。大
義名分があれば支持されるだろう。

 初六は、集結してざわついている。今にも争乱が起きそうだ。
 六二は、集結すると留まって休息し、集めた情報から計画を練っ
て、多くの協力者を集める。
 九三は、集結すると留まって扇動すると、多くの協力者まで逃
げてしまう。正義をふりかざしても受け入れられない。
 九四は、集結して目的地に着くと、軍資金や武器を手に入れる
ことができる。身が引き締まってくる。
 六五は、城壁を攻めたが、なかなか落せない。しかし、最後に
は開城する。
 上九は、権力者がその地位を失う。その権力者を倒した者たち
は喜ぶが、後には苦難が待っている。一時的に無法地帯となる。
危険な状態だ。

○易経の読み下し文

 旅(りょ)は、小しく亨る。旅にては貞しければ吉なり。

 初六は、旅して瑣瑣(ささ)たり。斯れその災いを取るところ
なり。
 六二は、旅して次(やど)に即(つ)き、その資(かね)を懷
(いだ)き、童僕の貞を得たり。
 九三は、旅してその次を焚かれ、その童僕を喪(うしな)う。
貞しけれども厲(あやう)し。
 九四は、旅して于(ここ)に処(お)り、その資斧を得たり。
我が心、快(こころよ)からず。
 六五は、雉(きじ)を射て、一矢亡う。終にもって誉命あり。
 上九は、鳥、その巣を焚かる。旅人先には笑い、後には号(な)
き咷(さけ)ぶ。牛を易に喪う。凶なり。

○易経の原文

 旅、小亨。旅貞吉。

 初六、旅瑣瑣。斯其所取災。
 六二、旅卽次、懷其資、得童僕貞。
 九三、旅焚其次、喪其童僕。貞厲。
 九四、旅于處、得其資斧。我心不快。
 六五、射雉、一矢亡。終以譽命。
 上九、鳥焚其巣。旅人先笑、後號咷。喪牛于易。凶。

44―影光影 出出出―凹凸凹 凸凸凸

 密閉。
 風で飛ばされないように、落ち葉の下の土に隠れる。
 外部の情報を遮断し内部強化をする。
 情報があり過ぎると新しい発想の邪魔になることがある。
 既成概念にとらわれず、秩序に逆らうような発想をしてみる。
 -2+1=-1:月曜日の午後***散らばる。小さく弱い存
在。

|¦|¦¦¦ 火地晉(かちしん)

○易経の解釈

 晉(しん)は世に認められるということで、苦労が報われ、慕
う人が多くなり、忙しくなる。

 初六は、世に認められ、私生活が乱される。平静を保てば、時
機に治まる。心ない言動にとらわれても、寛容になっれば、信頼
が高まる。
 六二は、世に認められ、妬まれる。怒らず、用心しておけば心
配ない。そして、間に入って治めてくれる支援者に相談すること
だ。
 六三は、大勢の人に信頼される。反発していた人もいなくなる。
 九四は、世に認められながら、その能力を独り占めして隠そう
とすれば、信頼が揺らぐ。
 六五は、価値判断は常に変わる。だから、世に認められて安心
したり、認められなくて悩んだりしてはいけない。自分のやり方
を貫けばいい、それが無駄になることはない。
 上九は、目立って世に認められる。どんな手段でも目立てば、
認められて利益を得ることはできるかもしれない。しかし、褒め
られたことではなく、失うものが多い。

○易経の読み下し文

 晉(しん)は、康侯(こうこう)もって馬を錫(たま)わるこ
と蕃庶(はんしょ)にして、昼日に三たび接す。

 初六は、晉如たり、摧如(さいじょ)たり。貞しければ吉なり。
孚とせらるること罔(な)けれども、裕かなれば咎なし。
 六二は、晉如たり、愁如(しゅうじょ)たり。貞しければ吉な
り。玆(こ)の介(おお)いなる福(さいわい)をその王母に受
く。
 六三は、衆、允(まこと)とす。悔亡ぶ。
 九四は、晉如たる鼫鼠(せきそ)、貞しけれども厲(あやう)
し。
 六五は、悔亡ぶ。失得、恤(うれ)うることなかれ。往けば吉
にして、利ろしからざることなし。
 上九は、その角に晉(すす)む。維(こ)れ用て邑を伐てば、
厲けれども吉にして咎なし。貞しけれども吝なり。

○易経の原文

 晉、康侯用錫馬蕃庶、晝日三接。

 初六、晉如摧如。貞吉。罔孚、裕无咎。
 六二、晉如愁如。貞吉。受玆介福于其王母。
 六三、衆允。悔亡。
 九四、晉如鼫鼠。貞厲。
 六五、悔亡。失得勿恤。往吉无不利。
 上九、晉其角。維用伐邑、厲吉无咎。貞吝。

43―影光影 出出入―凹凸凹 凸凸凹

 風雲。
 上から押さえつけられ、下から突かれる状態。
 過酷な状況を耐え、才能を磨いている。
 今は認められていないが、才能は隠せないものだ。
 イライラせず我慢する。
 -2+3=+1:月曜日の午前***光に照らされる。認識さ
れる。

|¦|¦¦| 火雷噬嗑(からいぜいこう)

○易経の解釈

 噬嗑(ぜいこう)は、歯を食いしばるということで、我慢する
ことだ。話し合うほうが有利だ。

 初九は、行動した痕跡を残さない。自慢しないことだ。
 六二は、ささいなことでも深く傷つく。立ち直れる。
 六三は、深く傷つければ、恨みを買う。やりすぎだが、しかた
がない。
 九四は、核心をついて、論破する。こちらも傷つくが、結果は
よい。主導権を握れる
 六五は、損して得とれ。失敗するかもしれないが、痛手にはな
らない。
 上九は、言動が理解でず、話しが通じない。対処しようがない。

○易経の読み下し文

 噬嗑(ぜいこう)は、亨る。獄を用うるに利ろし。

 初九は、校(あしかせ)を屨(は)いて趾(あし)を滅(やぶ)
る。咎なし。
 六二は、膚(はだえ)を噬(か)みて鼻を滅る。咎なし。
 六三は、腊肉(せきにく)を噬みて毒に遇う。小しく吝なれど
も、咎なし。
 九四は、乾胏(かんし)を噬み、金矢を得。艱(くる)しんで
貞なるに利ろし。吉なり。
 六五は、乾肉を噬み、黄金を得。貞厲なれば、咎なし。
 上九は、校(くびかせ)を何(にな)いて耳を滅る。凶なり。

○易経の原文

 噬嗑、亨。利用獄。

 初九、屨校滅趾。无咎。
 六二、噬膚滅鼻。无咎。
 六三、噬腊肉、遇毒。小吝无咎。
 九四、噬乾胏、得金矢。利艱貞。吉。
 六五、噬乾肉、得黄金。貞厲无咎。
 上九、何校滅耳。凶。

42―影光影 出入入―凹凸凹 凸凹凹

 腐敗。
 外見はきれいだが中身が腐っている。
 苦労をしても利益を得られない。
 信頼していた者に裏切られるので、ダメージが大きい。
 信頼することと過信することの違いを知る必要がある。
 -2+2=+0:日曜日の午前***無意識。夢の段階。

|¦|¦|| 火沢睽(かたくけい)

○易経の解釈

 睽(けい)は反発するということで、その力を利用すれば役に
立つ。

 初九は、災いのほうから避けていく。例えば、大事なものを失っ
たとしても取り戻そうとしないこと。自然に元通りになるのを待
つほうがいい。近くにいる悪い者も離れていってくれる。
 九二は、待ち合わせでは会えず、違う場所でばったりと会う。
会えないよりはいい。
 六三は、足を引っぱられる。何もかもいうことを聞かない。失
敗の責任をとらされ、困難に直面する。突然起きることは、いつ
までも続くわけがはない。
 九四は、誤解されて孤立する。しばらくすれば誤解がとけ、意
思の疎通ができるようになる。わだかまりが残っているが、いず
れ解消する。
 六五は、誰でも最初は未熟だ。今は親のすねをかじっている。
だから親離れして困難があっても問題はないのだ。
 上九は、誤解して孤立する。自ら敵をつくり、猜疑心にとらわ
れる。争う姿勢をしめすが、実行する勇気はない。いずれ誤解し
ていたことを覚り、より親密な関係になる。偏見をもたず、よく
調べれば、取り越し苦労にはならない。

○易経の読み下し文

 睽(けい)は、小事に吉なり。

 初九は、悔亡ぶ。馬を喪(うしな)うも逐(お)うことなかれ。
自ら復る。悪人を見るも、咎なし。
 九二は、主に巷(ちまた)に遇う。咎なし。
 六三は、輿(くるま)を曳(ひ)くを見る。その牛、掣(ひき
とど)めらる。その人、天(かみき)られ、かつ劓(はなき)ら
る。初めなくして終わりあり。
 九四は、睽(そむ)きて孤なり。元夫に遇い、交々(こもごも)
孚あり。厲(あやう)けれども咎なし。
 六五は、悔亡ぶ。厥(そ)の宗(ともがら)、膚(はだえ)を
噬(か)む。往くも何の咎かあらん。
 上九は、睽きて孤なり。豕(いのこ)の塗(どろ)を負うを見、
鬼を一車に載す。先にはこれが弧(ゆみ)を張り、後にはこれが
弧を說(と)く。寇(あだ)するにあらず、婚媾せんとす。往き
て雨に遇えばすなわち吉なり。

○易経の原文

 睽、小事吉。

 初九、悔亡。喪馬勿逐、自復。見惡人无咎。
 九二、遇主于巷。无咎。
 六三、見輿曳。其牛掣。其人天且劓。无初有終。
 九四、睽孤。遇元夫。交孚。厲无咎。
 六五、悔亡。厥宗噬膚。往何咎。
 上九、睽孤。見豕負塗、載鬼一車。先張之弧、後說之弧。
匪寇婚媾。往遇雨則吉。

41―影光影 出入出―凹凸凹 凸凹凸

 遺伝。
 親の力が強大で、子に影響が残る。
 未熟な者が過剰な力を持ち、災いを招く。
 早く挫折をすれば立ち直りも早い。
 近づく者は利益を狙っているので注意。
 -2+0=-2:火曜日の午後***衝突する。敵味方の区別
をする。

|¦|¦|¦ 火水未済(かすいびせい)

○易経の解釈

 未済(びせい)は、未だ済まずということで、無限の可能性が
ある。小賢しい者は、後一歩というところで、失態をさらす。残
念なことだ。

 初六は、慎重を期すこと。実力を出しきれない。
 九二は、行動を控えること。用心しているほうがいい。
 六三は、準備が整っていない。先走れば災いがふりかかる。準
備を整えれば、多くのものを得ることができる。
 九四は、冷静な判断が好結果をよび、信頼を得られる。力を蓄
えて一点に集中させる。着実に地位を高めることができる。
 六五は、失敗をしてもよい経験が得られ、損害とはいえない。
成功の道筋が見えてくる。いずれ成し遂げられるだろう。
 上九は、成功を祝う準備をするところまできている。順調だ。
しかし、達成していないことはやり始めた時とかわらないので、
初心を忘れないことだ。

○易経の読み下し文

 未済(びせい)は、亨る。小狐、汔(ほと)んど済(わた)ら
んとして、その尾を濡らす。利ろしきところなし。

 初六は、その尾を濡らす。吝なり。
 九二は、その輪を曳く。貞しければ吉なり。
 六三は、いまだ済(な)らず。征けば凶なり。大川を渉るに利
ろし。
 九四は、貞しければ吉にして、悔亡ぶ。震(うご)いてもって
鬼方を伐つ。三年にして大国に賞せらるることあり。
 六五は、貞しければ吉にして悔なし。君子の光あり。孚ありて
吉なり。
 上九は、酒を飮むに孚あり。咎なし。その首を濡らすときは、
孚あれども是(ぜ)を失う。

○易経の原文

 未濟、亨。小狐汔濟、濡其尾。无攸利。

 初六、濡其尾。吝。
 九二、曳其輪。貞吉。
 六三、未濟。征凶。利渉大川。
 九四、貞吉悔亡。震用伐鬼方。三年有賞于大國。
 六五、貞吉无悔。君子之光。有孚吉。
 上九、有孚于飮酒。无咎。濡其首、有孚失是。

40―影光光 入入出―凹凸凸 凹凹凸

 選別。
 川砂をふるいにかけ、砂金を探す。
 原石をどう磨くかで価値が変わってくる。
 残っているものには理由があり、残るだけの価値がある。
 自分に試練を与え、それに耐えなければいけない。
 -0-1=-1:月曜日の午後***散らばる。小さく弱い存
在。

|¦¦||¦ 山風蠱(さんぷうこ)

○易経の解釈

 蠱(こ)は、群がるということで、そこに利益になるものがあ
るということだ。参加したほうがいい。最初は苦しいだろうが、
守りを固めて、最後は人を扱えるようになる。

 初六は、先人の事業を引き継ぐ。一緒に働いていた者なら正し
く継承できる。混乱があるだろうが、やがて軌道に乗る。
 九二は、先人の名声を引き継ぐ(親の七光り)。あてにしない
ほうがいい。
 九三は、先人の事業を引き継ぐ。戸惑うことがあるだろうが、
道を外れたわけではない。
 六四は、先人の財産を引き継ぐ。それをあてにしていると何も
身につかない。
 六五は、先人の事業を引き継ぐ。さらに事業を拡大することが
できる。
 上九は、安易な利益に飛びつかない。価値を高めることに努め
るべきだ。

○易経の読み下し文

 蠱(こ)は、元いに亨る。大川を渉るに利ろし。甲に先だつこ
と三日、甲に後るること三日。

 初六は、父の蠱(やぶれ)を幹(ただ)す。子あれば考(ちち)
も咎なし。厲(あや)うけれども終には吉なり。
 九二は、母の蠱を幹す。貞にすべからず。
 九三は、父の蠱を幹す。小しく悔あれども、大いなる咎なし。
 六四は、父の蠱を裕(ゆる)やかにす。往けば吝を見る。
 六五は、父の蠱を幹す。もって誉れあり。
 上九は、王侯に事(つか)えず。その事を高尚にす。

○易経の原文

 蠱、元亨。利渉大川。先甲三日。後甲三日。

 初六、幹父之蠱。有子考无咎。厲終吉。
 九二、幹母之蠱。不可貞。
 九三、幹父之蠱。小有悔、无大咎。
 六四、裕父之蠱。往見吝。
 六五、幹父之蠱。用譽。
 上九、不事王侯。高尙其事。

2013年1月10日木曜日

39―影光光 入入入―凹凸凸 凹凹凹


 対峙。
 拮抗した力で勝敗が決まらず、相手の様子をうかがっている。
 先に手を出せば負ける。
 力づくではなく、話し合いで解決をはかり、策略を用いず、誠
実に対応する。
 -0-3=-3:水曜日の午後***突出する。力を得る。

|¦¦||| 山天大畜(さんてんたいちく)

○易経の解釈

 大畜(たいちく)は、大いにまし増やすということで、投資す
るのによい。しかし、余裕の分を投資すればよいが、生活費まで
使い果たすのはよくない。それをふまえて積極投資すとよい。

 初九は、投資するのは危険だ。手を出さないほうがいい。
 九二は、他人に左右されて、判断を誤る。
 九三は、よい投資先を探すこと。それは困難だろうが、投資で
失敗しない初歩的なことだ。時間をかけて熟練していけば、違い
が分かるようになる。
 六四は、初心者は安全な投資から始めよ。よい経験が得られる。
 六五は、よい投資に見えているだけだ。少しは得られるだろう。
 上九は、よい投資先が見つかる。そして大成する。

○易経の読み下し文

 大畜(たいちく)は、貞しきに利ろし。家食せずして吉なり。
大川を渉るに利ろし。

 初九は、厲(あや)うきことあり。已むに利ろし。
 九二は、輿(くるま)、輹(とこしばり)を説く。
 九三は、良馬、逐(お)う。艱(くる)しんで貞なるに利ろし。
日々に輿衛を閑(なら)えば、往くところあるに利ろし。
 六四は、童牛の牿(つのぎ)なり。元いに吉なり。
 六五は、豶豕(ふんし)の牙なり。吉なり。
 上九は、天の衢(ちまた)を何(にな)う。亨る。

○易経の原文

 大畜、利貞。不家食吉。利渉大川。

 初九、有厲。利已。
 九二、輿說輹。
 九三、良馬逐。利艱貞。曰閑輿衛、利有攸往。
 六四、童牛之牿。元吉。
 六五、豶豕之牙。吉。
 上九、何天之衢。亨。

38―影光光 入出入―凹凸凸 凹凸凹


 共鳴。
 あうんの呼吸で行動する。
 お互いを意識しなくても常に存在を感じあっている。
 他の入り込む余地はなく、一つに見える。
 あまりにも依存しあうと、どちらかが欠けた時もろい。
 -0-2=-2:火曜日の午後***衝突する。敵味方の区別
をする。

|¦¦|¦| 山火賁(さんかひ)

○易経の解釈

 賁(ひ)は飾り立てるということで、際立てることができる。
ほどほどにするのがよい。

 初九は、功績を輝かせる。それには、急ぐことなく一歩づつ地
道に行動することだ。
 六二は、認められるために目立たせる。
 九三は、勇ましかったり、色気がある。末永く保てば得るもの
がある。
 六四は、勇ましかったり、老練だったりする。その専門性をい
かす。欠点にはならず、補いあえばいい。
 六五は、さびれた場所を目立たせる。得るものはほとんどない
だろう。馬鹿にされるかもしれないが、いずれは報われる。
 上九は、何も目立たせない。何もないからかえって目立つ。

○易経の読み下し文

 賁(ひ)は、亨る。小(すこ)しく往くところあるに利ろし。

 初九は、その趾(あし)を賁(かざ)る。車を舍(す)てて徒
(かち)す。
 六二は、その須(ひげ)を賁る。
 九三は、賁如(ひじょ)たり、濡如(じゅじょ)たり。永貞な
れば吉なり。
 六四は、賁如たり、皤如(はじょ)たり。白馬、翰如(かん
じょ)たり。寇(あだ)するにあらず、婚媾せんとす。
 六五は、丘園を賁る。束帛戔戔(そくはくせんせん)たり。吝
なれども終には吉なり。
 上九は、白く賁る。咎なし。

○易経の原文

 賁、亨。小利有攸往。

 初九、賁其趾。舍車而徒。
 六二、賁其須。
 九三、賁如、濡如。永貞吉。
 六四、賁如、皤如。白馬翰如。匪寇婚媾。
 六五、賁于邱園。束帛戔戔。吝終吉。
 上九、白賁。无咎。

37―影光光 入出出―凹凸凸 凹凸凸


 飛躍。
 追い風に乗り順調に進む。
 目標がはっきり見えて障害がない。
 自信をもって行動すれば怖いものはない。
 孤立せず、他の模範になるように指導する。
 -0-0=-0:日曜日の午後***揺さぶられる。影響を受
ける。

|¦¦|¦¦ 艮為山(ごんいさん)

○易経の解釈

 艮(ごん)は振り返るということで、過去をかえりみて、将来
の指針を得る。向かうところ敵なし。障害はない。

 初六は、痕跡をかえりみる。基本が大事だ。じっくりと調べた
ほうがいい。
 六二は、避難してかえりみる。誰も助けることなく、状況に流
されてしまう。あと味が悪いが、生きていてこそだ。
 九三は、限界をかえりみる。慎んで度をこさない。危険なこと
に心はひかれるものだ。
 六四は、自分自身をかえりみる。成長に役立つ
 六五は、助けるためにかえりみる。順序だてて説明すること。
そうすれば受け入れられる。
 上九は、積極的にかえりみる。得るものがある。

○易経の読み下し文

 その背に艮(とど)まりて、その身を獲ず。その庭に行きて、
その人を見ず。咎なし。

 初六は、その趾(あし)に艮まる。咎なし。永貞に利ろし。
 六二は、その腓(こむら)に艮まる。拯(すく)わずして、そ
れ隨う。その心は快(こころよ)からず。
 九三は、その限(こしぼね)に艮まる。その夤(せぼね)を列
(さ)く。厲(あやう)きこと心を薫(や)く。
 六四は、その身に艮まる。咎なし。
 六五は、その輔(ほほぼね)に艮まる。言うことに序あり。悔
亡ぶ。
 上九は、艮まるに敦し。吉なり。

○易経の原文

 艮其背不獲其身。行其庭不見其人。无咎。

 初六、艮其趾。无咎。利永貞。
 六二、艮其腓。不拯其隨。其心不快。
 九三、艮其限。列其夤。厲薫心。
 六四、艮其身。无咎。
 六五、艮其輔。言有序。悔亡。
 上九、敦艮、吉。

36―影光光 出出出―凹凸凸 凸凸凸


 浸出。
 食べ物を消化する。
 新しい知識や技術を貪欲に学び、ものにする。
 新規参入。
 成功することより、ノウハウを吸収することに重点をおく。
 -0+1=+1:月曜日の午前***光に照らされる。認識さ
れる。

|¦¦¦¦¦ 山地剥(さんちはく)

○易経の解釈

 剥(はく)は、あばかれるということで、身の危険がある。

 初六は、土台から揺らいでいく。そして混乱が起きる。広範囲
に災いがふりかかる。
 六二は、土台が分断され、あばかれる。疑心暗鬼になる。やが
て争いが起きる。
 六三は、自然にあばかれる。うすうす感じていたことだから、
驚きはない。
 六四は、あばかれて、表面があらわになる。警戒が手薄になる。
 六五は、公式の手順にのっとってあばかれる。混乱なく、信頼
される。
 上九は、大損害から、かろうじて逃れた。日頃から誠実な者な
ら助けられるが、そうでなければ、さらにすべてをあばかれる。

○易経の読み下し文

 剥(はく)は、往くところあるに利ろしからず。

 初六は、牀(しょう)を剥するに足をもってす。貞を蔑(ほろ
ぼ)す。凶なり。
 六二は、牀を剥するに弁をもってす。貞を蔑す。凶なり。
 六三は、これを剥す。咎なし。
 六四は、牀を剥するに膚(はだえ)をもってす。凶なり。
 六五は、魚を貫き、宮人をもって寵せらる。利ろしからざるこ
となし。
 上九は、碩(おお)いなる果(このみ)、食らわれず。君子は
輿(よ)を得、小人は廬(ろ)を剥す。

○易経の原文

 剥、不利有攸往。

 初六、剥牀以足。蔑貞。凶。
 六二、剥牀以辨。蔑貞。凶。
 六三、剥之。无咎。
 六四、剥牀以膚。凶。
 六五、貫魚、以宮人寵。无不利。
 上九、碩果不食。君子得輿、小人剥廬。

35―影光光 出出入―凹凸凸 凸凸凹


 楽観。
 災いを避けることはできない。
 ころべば立ち上がればいい。
 もともと無から産まれたのに、欠けたことを悔やむのはおかし
い。
 時が解決してくれる。
 -0+3=+3:水曜日の午前***流される。逆らえば傷つ
く。

|¦¦¦¦| 山雷頤(さんらいい)

○易経の解釈

 頤(い)は、だますということで、嘘も方便で悪いことばかり
ではない。人の話しをよく聞いて、もっともらしいことを言う。

 初九は、身の危険をあおって、自分の欲望を満たそうとする。
いずれ災いがふりかかる。
 六二は、貧しい者から奪おうとする。それは人の道にはずれて
いる。そんな者はいずれ、すべてを奪われるだろう。実行すれば
災いから逃れられない。
 六三は、だますことを広める。知られれば効果がなくなり、信
用を失う。長い間、使えなくなる。いいことはなにもない。
 六四は、機転をきかせた嘘ならよい。それには機会をはずさず、
相手の苦しみを解消する助けになるものならば、問題にはならな
い。
 六五は、だまし続ける。嘘から出たまことになればいいのだ。
ただし、誇大すぎるのはよくない。
 上九は、わけがあってだます。だませないかもしれないけど問
題ない。大袈裟すぎるぐらいがいい。

○易経の読み下し文

 頤(い)は、貞しければ吉なり。頤を観(み)て、自ら口実を
求む。

 初九は、爾(なんじ)の霊亀(れいき)を舎(す)て、我を観
て頤(おとがい)を朶(た)る。凶なり。
 六二は、顚(さかしま)に頤(やしな)わる。経(つね)に払
(もと)れり。丘において頤わる。征けば凶なり。
 六三は、頤に払る。貞なれども凶なり。十年用うることなかれ。
利ろしきところなし。
 六四は、顚に頤わるるも吉なり。虎視眈眈(こしたんたん)、
その欲、逐逐(ちくちく)たれば、咎なし。
 六五は、経に払る。貞に居れば吉なり。大川を渉るべからず。
 上九は、由りて頤わる。厲(あや)うけれども吉なり。大川を
渉るに利ろし。

○易経の原文

 頤、貞吉。觀頤自求口實。

 初九、舎爾靈龜、觀我朶頤。凶。
 六二、顚頤。拂經。于丘頤。征凶。
 六三、拂頤。貞凶。十年勿用。无攸利。
 六四、顚頤吉。虎視眈眈、其欲逐逐、无咎。
 六五、拂經。居貞吉。不可渉大川。
 上九、由頤。厲吉。利渉大川。

34―影光光 出入入―凹凸凸 凸凹凹


 結実。
 木の実が色づき、種を抱えている。
 一定の成果が得られ、利益になっていく。
 成功ではあるが、終わりではない。
 また新たな挑戦をしなければ、迷路に迷い込むことになる。
 -0+2=+2:火曜日の午前***軌道に乗る。目標を見つ
ける。

|¦¦¦|| 山沢損(さんたくそん)

○易経の解釈

 損は、排除するといことで、余計なものがなくなり、整理され
て、すっきりする。残すものと捨てるものの選択を誤らないよう
に。すぐに実行したほうがいい。しかし、なかなかこれができな
い。二者択一で決断することだ。

 初九は、今やっていることを中断してでもすぐに実行すれば、
間にあう。どちらがいいか比較して判断すること。
 九二は、役に立てることができる。失えば損するだけだ。必要
ないものを有効活用するべきだ。
 六三は、欲をだせば損をしたと不満が残る。無欲ならば得たこ
とを喜べる。
 六四は、病気やわずらわしいことを排除する。早く対処すれば
安心できる。被害も最小限で食い止められる。
 六五は、捨てられるものに価値をみいだす。そうすれば、利益
は増大する。大儲けできるだろう。
 上九は、知識は忘れずに増やすものだ。それでこそ役に立つ。
知識が多ければ得るものがある。積極的に求めるほうがいい。知
識をためる場所は無限だ。

○易経の読み下し文

 損は、孚あれば、元いに吉にして咎なし。貞しくすべし。往く
ところあるに利ろし。曷(なに)をかこれ用いん。二簋(き)もっ
て享(まつ)るべし。

 初九は、事を已(や)めて遄(すみや)かに往けば、咎なし。
酌みてこれを損すべし。
 九二は、貞しきに利ろし。征けば凶なり。損せずしてこれを益
す。
 六三は、三人行けばすなわち一人を損す。一人行けばすなわち
その友を得。
 六四は、その疾を損す。遄かならしめば喜びあり。咎なし。
 六五は、あるいはこれを益す。十朋(じゅうぽう)の亀(き)
も違(たご)うこと克(あた)わず。元いに吉なり。
 上九は、損せずしてこれを益す。咎なし。貞しければ吉なり。
往くところあるに利ろし。臣を得て家なし。

○易経の原文

 損、有孚、元吉无咎。可貞。利有攸往。曷之用。二簋可用享。

 初九、已事遄往、无咎。酌損之。
 九二、利貞。征凶。弗損益之。
 六三、三人行則損一人。一人行則得其友。
 六四、損其疾。使遄有喜。无咎。
 六五、或益之。十朋之龜弗克違。元吉。
 上九、弗損益之。无咎。貞吉。利有攸往。得臣无家。

2013年1月8日火曜日

33―影光光 出入出―凹凸凸 凸凹凸

 変態。
 環境の変化にさらされ、機能が強化される。
 適応能力がすぐれ、力をつけていく。
 自立できるよう、知識を吸収する。
 完全な状態ではないので、うぬぼれないこと。
 -0+0=+0:日曜日の午前***無意識。夢の段階。

|¦¦¦|¦ 山水蒙(さんすいもう)

○易経の解釈

 蒙(もう)は未知ということで、いずれ明らかになっていく。
何もしなくて明らかになるのではなく、探求して明らかになるの
だ。最初は、奇異な感じがしたり、驚きと感動がある。しだいに、
一般的になる。だから関心が薄れる。発見は発展につながる。

 初六は、無知なことがばれる。それがもとで人の反面教師とな
る。それを反省もせず、開き直れば、批判される。
 九二は、未知なものを発見する手がかりを得る。それを手に入
れることで、経験を得る。生活環境が一変する。
 六三は、賭け事に手をだしてはいけない。金に目がくらんでい
ては、冷静な判断ができない。いい結果にはならない。
 六四は、未知なことが立ちふさがる。だから停滞する。
 六五は、未知を学んで、知識を得る。
 上九は、無知なことを指摘する。恥をかかせることはよくない。
恥をかかせないように指摘すること。

○易経の読み下し文

 蒙(もう)は、亨る。我より童蒙(どうもう)に求むるにあら
ず。童蒙より我に求む。初筮(しょぜい)は告ぐ。再三すれば瀆
(けが)る。瀆るればすなわち告げず。貞しきに利ろし。

 初六は、蒙を発(ひら)く。もって人を刑するに利ろし。もっ
て桎梏(しっこく)を說(と)き、もって往けば吝なり。
 九二は、蒙を包(か)ぬ、吉なり。婦(つま)を納(い)る、
吉なり。子にして家を克(おさ)む。
 六三は、女を取(めと)るに用うることなかれ。金夫を見れば、
躬(み)を有(たも)たず。利ろしきところなし。
 六四は、蒙に困(くる)しむ。吝なり。
 六五は、童蒙、吉なり。
 上九は、蒙を撃つ。寇(あだ)をなすに利ろしからず。寇を禦
(ふせ)ぐに利ろし。

○易経の原文

 蒙、亨。匪我求童蒙。童蒙求我。初筮告。再三瀆。瀆則不告。
利貞。

 初六、發蒙。利用刑人、用說桎梏、以往吝。
 九二、包蒙、吉。納婦、吉。子克家。
 六三、勿用取女。見金夫、不有躬。无攸利。
 六四、困蒙。吝。
 六五、童蒙、吉。
 上九、擊蒙。不利爲寇。利禦寇。

32―光光光 入入出―凸凸凸 凹凹凸

 循環。
 子は親に似る。
 歴史は繰り返す。
 穏やかな川の流れは変化していないように見える。
 何かに熟練すると、一定のリズムが出来上がり、難なくできる
ようになる。
 だがそれは同じことの繰り返しではなく、変化にうまく対応で
きているからだ。
 1-1=-0:日曜日の午後***揺さぶられる。影響を受け
る。

¦¦¦||¦ 地風升(ちふうしょう)

○易経の解釈

 升(しょう)は、ますで量るということで、不正が正される。
そして、賢人が現れる。不足も解消する。だから、都市が盛大に
なる。

 初六は、正確に計量される。大いに栄える。
 九二は、信頼されていれば、簡単な計量でいい。問題は起きな
い。
 九三は、誰が見ていなくても正確に量ること。
 六四は、正確に計量されているかを検査する。それでこそ不正
が見抜ける。
 六五は、まず信頼されていることが大切だ。その上で計量を始
める。
 上六は、計量することができない。休んだほうがいい。

○易経の読み下し文

 升(しょう)は、元いに亨る。もって大人を見る。、恤うるこ
となかれ。南征すれば吉なり。

 初六は、允(まこと)に升(のぼ)る。大吉なり。
 九二は、孚あればすなわち禴(やく)を用うるに利ろし。咎な
し。
 九三は、虛邑に升る。
 六四は、王、もって岐山(きざん)に亨す。吉にして咎なし。
 六五は、貞しければ吉なり。階(きざはし)に升る。
 上六は、升るに冥(くら)し。息(や)まざるの貞に利ろし。

○易経の原文

 升、元亨。用見大人。勿恤。南征吉。

 初六、允升。大吉。
 九二、孚乃利用禴。无咎。
 九三、升虛邑。
 六四、王用亨于岐山。吉无咎。
 六五、貞吉。升階。
 上六、冥升。利于不息之貞。

31―光光光 入入入―凸凸凸 凹凹凹

 亀裂。
 乾いた大地にひびが入るように、堅い結びつきにもほころびが
出る。
 仲間割れや期待していた援助が受けられない。
 隙を突いてライバルに追い越される。
 亀裂が入るということは、大き過ぎるということ。
 無駄や無理なことに手を出していないか、背伸びをしすぎてい
ないかを調べ、ちゅうちょせず省いていく。
 1-3=-2:火曜日の午後***衝突する。敵味方の区別を
する。

¦¦¦||| 地天泰(ちてんたい)

○易経の解釈

 泰(たい)は、おごりということで、些細なことは遠ざけ、大
役を求める。やる気があり、得るものもある。

 初九は、根こそぎたいらげる。そして分類する。広く求めれば
得るものがる。
 九二は、したたかに、意表をついて、しかし、長期計画に沿っ
た行動で、競争相手を出し抜けば、主導権を握ることができる。
 九三は、安定の中にも混乱はあり、新しいものにも古い智恵が
いかされている。我慢して続けていれば、報われる。信じて疑う
ことがないように。食べていければそれでいいではないか。
 六四は、欲望にはきりがなく、近づこうと追いかけてしまう。
懲りないのが人の本性だ。
 六五は、幸福を得るためには手段を選ばない。それでこそ安泰
が約束される。
 上六は、おごり高ぶれば、いずれ地に落ちる。そのうぬぼれた
才能は役に立たない。意見を聞いて指示すること。自重して浪費
しないこと。

○易経の読み下し文

 泰(たい)は、小往き、大来る。吉にして亨(とお)る。

 初九は、茅(ちがや)を抜くに茹(じょ)たり。その彙(たぐ
い)と以(とも)にす。征けば吉なり。
 九二は、荒を包(か)ね、河を馮(かちわた)るを用い、遐
(とお)きを遺(わす)れず、朋、亡ぶれば、中行に尚(かな)
うことを得ん。
 九三は、平かなるものにして陂(かたむ)かざることなく、往
くものにして復らざるはなし。艱(くるし)みて貞しければ咎な
し。その孚(まこと)を恤(うれ)うることなかれ。食において
福あらん。
 六四は、翩翩として富めりとせず、その隣と以(とも)にす。
戒めずしてもって孚あり。
 六五は、帝乙(ていいつ)、妹を帰(とつ)がしむ。もって祉
(さいわい)ありて元いに吉なり。
 上六は、城、隍(ほり)に復る。師(いくさ)を用うることな
かれ。邑より命を告げん。貞なれども吝なり。

○易経の原文

 泰、小往大來。吉亨。

 初九、拔茅茹。以其彙。征吉。
 九二、包荒、用馮河、不遐遺、朋亡、得尙于中行。
 九三、无平不陂、无往不復。艱貞无咎。勿恤其孚。于食有福。
 六四、翩翩不富、以其鄰。不戒以孚。
 六五、帝乙歸妹。以祉元吉。
 上六、城復于隍。勿用師。自邑告命。貞吝。

30―光光光 入出入―凸凸凸 凹凸凹

 伝達。
 遠く離れていても見えない糸で結ばれている。
 情報交換し、気持ちを同じにしておく。ただし、情報には雑音
が含まれる。
 情報の入手先は複数あったほうがいい。
 1-2=-1:月曜日の午後***散らばる。小さく弱い存在。

¦¦¦|¦| 地火明夷(ちかめいい)

○易経の解釈

 明夷(めいい)は公明正大ということで、困難をともなうが、
実践すべきだ。

 初九は、不正を明らかにすると、非難され、役目を奪われる。
そうしたまじめな者ほど逆境のなかにある。探し出せば賢人の言
葉が聞ける。
 六二は、不正を明らかにする。痛手をこうむることになるだろ
う。しかし、支持者が増えるので、得るものがある。
 九三は、不正を明らかにするには、第三者の力を借りて告発し、
世論を味方にするように訴える。あせらずじっくりとおこなうこ
と。
 六四は、真意を確かめて、公明正大の立場で、よく検討して決
断する。
 六五は、不正に立ち向かう勇気がある。だから、怖れることは
ない。
 上六は、公正を装い、不正を隠している。その利益が大きけれ
ば、損失は計り知れない。

○易経の読み下し文

 明夷(めいい)は、艱(くる)しみて貞しきに利ろし。

 初九は、明、夷(やぶ))れて、ここに飛び、その翼を垂(た)
る。君子、ここに行きて、三日食わず。往くところあれば、主人、
言あり。
 六二は、明、夷る。左股(さこ)を夷る。もって拯(すく)う
に馬、壮(さか)んなれば、吉なり。
 九三は、明、夷れて、ここに南狩して、その大首を得たり。疾
く貞しくすべからず。
 六四は、左腹に入り、明夷の心を獲て、ここに門庭を出づる。
 六五は、箕子(きし)の明、夷る。貞しきに利ろし。
 上六は、明らかならずして晦(くら)し。初めは天に登り、後
には地に入る。

○易経の原文

 明夷、利艱貞。

 初九、明夷、于飛埀其翼。君子于行、三日不食。有攸往、
主人有言。
 六二、明夷、夷于左股。用拯馬壯、吉。
 九三、明夷、于南狩、得其大首。不可疾貞。
 六四、入于左腹、獲明夷之心、于出門庭。
 六五、箕子之明夷。利貞。
 上六、不明晦。初登于天、後入于地。

2013年1月7日月曜日

29―光光光 入出出―凸凸凸 凹凸凸

 新天地。
 荒れた土地は耕せば実りが得られる。
 価値のないものを価値あるものにすることが大事。
 困難にこそ価値がある。
 完成をイメージし、夢を持ち続けることだ。
 1-0=+1:月曜日の午前***光に照らされる。認識され
る。

¦¦¦|¦¦ 地山謙(ちさんけん)

○易経の解釈

 謙(けん)は、へりくだるということで、すべてやりとげられ
る。そろそろ後進に道を譲る時期がきている。

 初六は、断っても人から乞われる。その願いに応えてこそ大成
できる。得るものは大きい。
 六二は、譲ることを知らせる。肩の荷が下りて安心できる。
 九三は、譲る相手を見つける。継承されて、名誉が残るので、
いつまでも尊敬される。
 六四は、成し遂げたら居座らない。すすんで道を譲ること。
 六五は、富は循環させてこそ意味がある。だから、滞らせる者
は排除される。これは自然の成り行きだ。
 上六は、譲ることを知らせる。だからこそ指導は厳しく行い、
意識改革をするのだ。

○易経の読み下し文

 謙(けん)は、亨る。君子は終わりあり。

 初六は、謙謙す君子。もって大川を渉る。吉なり。
 六二は、謙を鳴す。貞しくして吉なり。
 九三は、謙を労す。君子、終わりありて吉なり。
 六四は、利ろしからざることなし。謙を撝(さしまね)く。
 六五は、富めりとせずしてその隣と以(とも)にす。もって侵
伐するに利ろし。利ろしからざることなし。
 上六は、謙を鳴す。もって師(いくさ)を行(や)り、邑国を
征するに利ろし。

○易経の原文
 謙、亨。君子有終。

 初六、謙謙君子。用渉大川。吉。
 六二、鳴謙。貞吉。
 九三、勞謙。君子有終、吉。
 六四、无不利。撝謙。
 六五、不富以其鄰。利用侵伐。无不利。
 上六、鳴謙。利用行師征邑國。

2013年1月5日土曜日

28―光光光 出出出―凸凸凸 凸凸凸

 軟強。
 弱々しいものほど強い。
 アメーバーのように変形し、どんな状況にも対応できる。
 無防備で災難に遭っても、致命傷とはならない。
 それは身を捨て、生に執着していないからだ。
 1+1=+2:火曜日の午前***軌道に乗る。目標を見つけ
る。

¦¦¦¦¦¦ 坤為地(こんいち)

○易経の解釈

 坤(こん)は従順ということで、好かれて受け入れられる。だ
から、力を存分に発揮できる。新しいことには戸惑うが、指導を
すれば、少しずつ慣れていく。猫のように、付かず離れずといっ
た距離感でいるのがいい。そして、流れに身をまかせていればよ
い。

 初六は、兆しに注意して、防備をかためておくこと。
 六二は、勘が鋭い。それは、習ったものではなく、天性のもの
だから作為がない。
 六三は、才能を磨いて、いつでも発揮できるようにしておくこ
と。そして、いざという時には、その才能をひけらかすのではな
く、誰にも気づかれずに終えるぐらいがいい。
 六四は、でしゃばらず、口外しないこと。そうすれば、嫌われ
ず、自然でいられる。
 六五は、作為のない行動は、魅力的で信頼を得られる。
 上六は、けんかをすると激しいものとなる。そして、いつまで
も恨みが残る。
 用六は、この卦はすべてが陰なので、一から十のうち、偶数だ
けを足して、一桁の数で一番大きい六(二+四=六)の影響だけ
がある。六は安定していて、変化を吸収する柔軟さがある。

○易経の読み下し文

 坤(こん)は、元いに亨る。牝馬(ひんば)の貞に利ろし。君
子往くところあるに、先んずれば迷い、後るれば主を得。西南に
は朋(とも)を得、東北には朋を喪(うしな)うに利ろし。貞に
安んずれば吉なり。

 初六は、霜を履(ふ)みて、堅冰至る。
 六二は、直・方・大なり。習わざれども利ろしからざることなし。
 六三は、章(あや)を含みて貞(てい)にすべし。あるいは王
事に従うも、成すことなくして終わりあり。
 六四は、囊(ふくろ)を括(くく)る。咎もなく誉れもなし。
 六五は、黄裳(こうしょう)、元吉なり。
 上六は、龍、野に戦う。その血、玄黄(げんこう)なり。
 用六は、永く貞(ただ)しきに利ろし。

○易経の原文

 坤、元亨。利牝馬之貞。君子有攸往、先迷、後得主。
 利西南得朋、東北喪朋。安貞吉。

 初六、履霜堅冰至。
 六二、直方大。不習无不利。
 六三、含章可貞。或從王事、无成有終。
 六四、括囊。无咎无譽。
 六五、黄裳、元吉。
 上六、龍戰于野。其血玄黄。
 用六、利永貞。

27―光光光 出出入―凸凸凸 凸凸凹

 休息。
 山で遭難した時にどう行動するかの判断は難しい。
 少し移動すれば安全な場所にたどり着くかもしれない。だが多
くの場合、じっとしていることのほうが助かる可能性が高い。
 特に、状況が分からない時、これから新しいことに対処しなけ
ればならない時には、いったん休息しエネルギーを蓄え、分析を
する時間を持つほうがいい。
 1+3=+4:木曜日の午前***固まって安定する。形が見
えてくる。

¦¦¦¦¦| 地雷復(ちらいふく)

○易経の解釈

 復は、元に戻るということで、心配は解消される。得るものは
ないが、失うものもないので、無欲の支援があり、安心できる。
戻るといても、練習を何度も繰り返すことで、経験を積んで戻る
のだ。だから、行動するたびに失敗は減っていく。

 初九は、何事もなくすぐに戻る。だから、損失が出ることはな
い。喜びがあるだろう。
 六二は、安全に停止する。平安が戻る。
 六三は、慎重に行動する。頼りなく見えるが、大丈夫だ。
 六四は、孤立して、行き場を失っている。
 六五は、善意をするために戻ってきた。だから、未練はない。
 上六は、退く勇気がない。だから、失敗を繰り返す。そして、
災いを防げない。どんなに指導しても、痛手をこうむるだけだ。
周りに迷惑をかけて、大損害になる。長い間、不幸な状態が続く。

○易経の読み下し文

 復は、亨る。出入疾(やまい)なく、朋來りて咎なし。その道
を反復し、七日にして來復す。往くところあるに利ろし。

 初九は、遠からずして復(かえ)る。悔に祇(いた)ることな
し。元いに吉なり。
 六二は、休(よ)く復る。吉なり。
 六三は、頻(しき)りに復る。厲(あや)うけれども咎なし。
 六四は、中行にして独り復る。
 六五は、復るに敦(あつ)し。悔なし。
 上六は、復るに迷う。凶なり。災眚(さいせい)あり。もって
師を行(や)れば、終(つい)に大敗あり。その国、君に以(お
よ)び、凶なり。十年に至るまで征すること克(あた)わず。

○易経の原文

 復、亨。出入无疾、朋來无咎。反復其道、七日來復。利有攸往。

 初九、不遠復。无祇悔。元吉。
 六二、休復。吉。
 六三、頻復。厲无咎。
 六四、中行獨復。
 六五、敦復。无悔。
 上六、迷復。凶。有災眚。用行師、終有大敗、以其國君、凶。
 至于十年不克征。

26―光光光 出入入―凸凸凸 凸凹凹

 援助。
 かれた大地にいくら水を注いでもすぐに吸い込まれる。
 利益は得られない。それは無駄なように思えるが、けっして無
駄ではない。
 かれた大地に水を注ぐ余裕がなければ、災いには対応できない。
それに、新しい発見をして発展することもできない。
 1+2=+3:水曜日の午前***流される。逆らえば傷つく。

¦¦¦¦|| 地沢臨(ちたくりん)

○易経の解釈

 臨(りん)はその場に行くということで、自ら問題解決に動き
出す時がきたということだ。しかし、時間をかけてはいけない。

 初九は、共感される。だから得るものがある。
 九二は、共感する。それは良いことであり、得るものがある。
 六三は、実行せざるおえない状態。だから、良いことではない。
慎重に実行すれば、問題はない。
 六四は、望まれて実行する。信頼されているからだ。
 六五は、智恵をしぼって実行する。熟練した者のやり方だ。利
益になる。
 上六は、善意で実行する。いい結果を得られ、信頼される。

○易経の読み下し文

 臨(りん)は、元いに亨りて貞しきに利ろし。八月に至りて凶
あり。

 初九は、咸(みな)臨(のぞ)む。貞しくして吉なり。
 九二は、咸臨む。吉にして利ろしからざることなし。
 六三は、甘んじて臨む。利ろしきところなし。既にこれを憂え
ば、咎なし。
 六四は、至りて臨む。咎なし。
 六五は、知にして臨む。大君の宜(よろ)しきなり。吉なり。
 上六は、臨むに敦(あつ)し。吉にして咎なし。

○易経の原文

 臨、元亨利貞、至于八月有凶。

 初九、咸臨。貞吉。
 九二、咸臨。吉无不利。
 六三、甘臨。无攸利。旣憂之无咎。
 六四、至臨。无咎。
 六五、知臨。大君之宜。吉。
 上六、敦臨。吉无咎。

25―光光光 出入出―凸凸凸 凸凹凸

 脱皮。
 ひとり立ちし、新しいことに挑戦する。
 今まで大切にしていたものを捨て、これから必要になるものを
探す。
 安心から不安に変化するが、避けては通れない。
 自分の能力を信じることだ。
 1+0=+1:月曜日の午前***光に照らされる。認識され
る。

¦¦¦¦|¦ 地水師(ちすいし)

○易経の解釈

 師は導くということで、善行だ。経験をいかせば得るものがあ
り、人の助けとなる。

 初六は、導くには順序がある。その順序を間違えると、従う者
まで災いがおよぶ。
 九二は、指導を仰ぐことができる。その効果があり、問題が解
決する。大役も任されるようになる。
 六三は、指導を間違い、最悪の結果となる。大損害になる。
 六四は、危機に指導がいかされる。損失は最小限でくいとめら
れる。
 六五は、実行して得るものがある。指示に従っていればいい。
問題は起きない。熟練した者は指導者となれる。しかし、未熟な
者は損害を増やすだけだ。それを見誤ると災いとなる。
 上六は、大役を任される。それを実行するための組織を編成す
る。必ず適材適所にすること。

○易経の読み下し文

 師は、貞なり。丈人なれば吉にして咎なし。

 初六は、師は出づるに律をもってす。否(しか)らざれば、臧
(よ)きも凶なり。
 九二は、師に在りて中す。吉にして咎なし。王、三たび命を錫
(たま)う。
 六三は、師あるいは尸(かばね)を輿(の)す。凶なり。
 六四は、師、左(しりぞ)き次(やど)る。咎なし。
 六五は、田(かり)して禽あり。言(これ)を執るに利ろし。
咎なし。長子は師を帥(ひき)ゆ。弟子は尸を輿す。貞なるとも
凶なり。
 上六は、大君、命あり。国を開き家を承く。小人は用うること
なかれ。

○易経の原文

 師、貞。丈人吉无咎。

 初六、師出以律。否臧凶。
 九二、在師中。吉无咎。王三錫命。
 六三、師或輿尸。凶。
 六四、師左次。无咎。
 六五、田有禽、利執言。无咎。長子帥師。弟子輿尸。貞凶。
 上六、大君有命。開國承家。小人勿用。

24―光光影 入入出―凸凸凹 凹凹凸

 汚濁。
 付き合いのマンネリ化。
 欠点の探しあい。
 お互いに依存しあって離れられなくなる。
 古い制度の見直しや新しい挑戦で「井の中の蛙」から脱するこ
と。
 3-1=+2:火曜日の午前***軌道に乗る。目標を見つけ
る。

¦¦|||¦ 雷風恒(らいふうこう)

○易経の解釈

 恒(こう)は、いつまでも変わらないということで、障害はな
い。だから、失敗することもない。経験がいかせるだろう。行動
しても問題はない。

 初六は、変化のない状態が長く続いている。新たな経験ができ
ず、災いに対処できない。利益にはならない。
 九二は、何事にも動じない。
 九三は、信頼が持続しない。いずれぼろを出す。このままでは
行き詰まる。
 九四は、行動しても報われない。
 六五は、信頼が持続している。従えば得るものがあるが、反発
すると災いがある。
 上六は、無理な変化を求めている。誰もついていけず、損失が
ある。

○易経の読み下し文

 恒(こう)は、亨る。咎なし。貞しきに利ろし。往くところあ
るに利ろし。

 初六は、恒を浚(ふか)くす。貞しけれども凶なり。利ろしき
ところなし。
 九二は、悔亡ぶ。
 九三は、その德を恒にせず。あるいはこれに羞(はじ)を承
(う)く。貞しけれども吝なり。
 九四は、田(かり)して禽(えもの)なし。
 六五は、その德を恒にして貞し。婦人は吉なれど、夫子は凶な
り。
 上六は、振うを恒とす。凶なり。

○易経の原文

 恆、亨。无咎。利貞。利有攸往。

 初六、浚恆。貞凶。无攸利。
 九二、悔亡。
 九三、不恆其德。或承之羞。貞吝。
 九四、田无禽。
 六五、恆其德貞。婦人吉、夫子凶。
 上六、振恆。凶。

23―光光影 入入入―凸凸凹 凹凹凹

 修復。
 骨折した部分は治ると前よりも強固になる。
 失敗を教訓とする。
 いがみ合うのはお互いに意識しているからだ。
 足らないところを補いながら行動すれば成果を得られる。
 3-3=-0:日曜日の午後***揺さぶられる。影響を受け
る。

¦¦|||| 雷天大壮(らいてんたいそう)

○易経の解釈

 大壮は真っ盛りということで、積極果敢にすればいい。

 初九は、部下のほうに勢いがある。押されて行動すれば、失敗
するのは、目に見えている。
 九二は、勢いに乗って得るものがある。
 九三は、凡人は勢いだけで動き、賢人は動かず智恵を使う。悪
いことではないが、危なっかしい。見境もなく動けば、混乱にま
きこまれて、退くこともできなくなる。
 九四は、目標に向かって突き進めば、達成できるだろう。障害
は何もない。もっと勢いが増すだろう。
 六五は、流れが変わって勢いを失う。それでも惜しくはない。
 上六は、考えなく動いて、罠にひっかかり、逃れることができ
なくなっている。だから、得るものはなにもない。すべてを失う
覚悟を決めれば、好転させることができる。

○易経の読み下し文

 大壮は、貞しきに利ろし。

 初九は、趾(あし)に壮(さか)んなり。征けば凶なること、
孚(まこと)あり。
 九二は、貞しければ吉なり。
 九三は、小人は壮を用い、君子は罔(もう)を用う。貞しけれ
ども厲(あやう)し。羝羊(ていよう)、藩(まかき)に触れて、
その角を羸(くるし)ましむ。
 九四は、貞しければ吉にして悔亡ぶ。藩、決(ひら)けて羸し
まず。大輿の輹(とこしばり)に壮んなり。
 六五は、羊を易に喪う。悔なし。
 上六は、羝羊、藩に触れ、退くこと能わず、遂(すす)むこと
能わず。利ろしきところなし。艱(くる)しめば、すなわち吉な
り。

○易経の原文

 大壯、利貞。

 初九、壯于趾。征凶。有孚。
 九二、貞吉。
 九三、小人用壯、君子用罔。貞厲。羝羊觸藩羸其角。
 九四、貞吉悔亡。藩決不羸。壯于大輿之輹。
 六五、喪羊于易。无悔。
 上六、羝羊觸藩、不能退、不能遂。无攸利。艱則吉。

22―光光影 入出入―凸凸凹 凹凸凹

 分断。
 雷は光と音によって、見にくく聞こえなくする。
 人は欲望によって、真実がみえなくなる。そして、外見や甘い
言葉に惑わされ、大切なものを失う。
 見栄をはらないことだ。
 3-2=+1:月曜日の午前***光に照らされる。認識され
る。

¦¦||¦| 雷火豐(らいかほう)

○易経の解釈

 豐(ほう)はあまりあるとうことで、余裕がある。権力者はこ
れに頼る。心配せず、有効活用することだ。

 初九は、余分は分配することだ。相手が勢いづいても問題はな
い。実行すれば、与えた以上の信頼が得られる。
 六二は、余裕は物を見えなくする。そして、さらなる欲望をか
きたてる。行過ぎるとねたまれ、恨まれる。有効に発散してこそ、
豊かになるのだ。
 九三は、過剰な余裕で身動きがとれない。だからうまく活用が
できないでいる。やがては手放すことになるだろう。毒にも薬に
もならない。
 九四は、余裕は物を見えなくする。そして、さらなる欲望をか
きたてる。それを諌める人の言葉を聞けば、良い経験となる。
 六五は、分け与える余力があることを皆に伝えれば、喜ばれ、
慕われる。そして信頼を得られるだろう。
 上六は、余分を独り占めにし、隠している。誰にもそのことを
告げようとしない。そんなことをすれば徐々に人は去っていく。
災いを招くことになるだろう。

○易経の読み下し文

 豐(ほう)は、亨る。王これに仮(いた)る。憂うることなか
れ、日中に宜し。

 初九は、その配主に遇う。旬(ひと)しといえども咎なし。往
けば尙(たっと)ばるることあり。
 六二は、その蔀(しとみ)を豐(おお)いにす。日中に斗を見
る。往けば疑い疾(にく)まるることを得ん。孚ありて発若たれ
ば、吉なり。
 九三は、その沛(はい)を豐いにす。日中に沬(ばい)を見る。
その右の肱を折る。咎なし。
 九四は、その蔀を豐いにす。日中に斗を見る。その夷主に遇え
ば、吉なり。
 六五は、章を来(きた)せば、慶誉(けいよ)あり。吉なり。
 上六は、その屋(おく)を豐いにし、その家に蔀す。その戸を
闚(うかが)うに、闃(げき)としてそれ人なし。三歳まで覿
(み)ず。凶なり。

○易経の原文

 豐、亨。王假之。勿憂、宜日中。

 初九、遇其配主。雖旬无咎。往有尙。
 六二、豐其蔀。日中見斗。往得疑疾。有孚發若、吉。
 九三、豐其沛。日中見沬。折其右肱。无咎。
 九四、豐其蔀。日中見斗。遇其夷主、吉。
 六五、來章、有慶譽。吉。
 上六、豐其屋、蔀其家。闚其戶、闃其无人。三歳不覿。凶。

21―光光影 入出出―凸凸凹 凹凸凸

 原点。
 本拠地がなければ発展はしない。
 本業を忘れ、利益を追い求めれば情勢を見失い、規律は乱れ、
集団の力を一つにまとめることはできない。
 まず足元を固め、持てる力を有効に使う。
 新しいものは外で利用することにとどめ、内部に受け入れない。
 3-0=+3:水曜日の午前***流される。逆らえば傷つく。

¦¦||¦¦ 雷山小過(らいざんしょうか)

○易経の解釈

 小過は小さ過ぎるとうことで、相手にされない。だから、すん
なり事がはこぶ。日常では役に立つが、重要な日には役立たない。
発言は受け入れられない。高望みはできないが、地道に達成でき
る。結果的に得るものが多くある。

 初六は、高望みすれば災いがある。
 六二は、重要なことは避けて、些細なことに目を向ける。重要
人物に会うには、まずその補佐役に会え。そうすればうまくいく。
 九三は、些細なことを見逃すと、それに乗じて足元をすくわれ
る。大きな痛手になるだろう。
 九四は、影響力がない。だから、すんなりと実行できる。しか
し、調子に乗ると危険だ。力のないことを自覚するべきだ。いつ
も同じ手は通用しない。
 六五は、準備は整っているが実行できない。自ら実行して手本
を示す必要がある。そして、意思疎通をはかり、部下の信頼を得
ることだ。
 上六は、奇抜すぎて、誰もついていけない。孤立すれば、なに
も防ぐことができない。だから、狙われやすい。これは自業自得
だ。

○易経の読み下し文

 小過は、亨る。貞しきに利ろし。小事には可なり、大事には可
ならず。飛鳥これが音を遺(のこ)す。上るに宜(よろ)しから
ず、下るに宜し。大いに吉なり。

 初六は、飛鳥もって凶なり。
 六二は、その祖を過ぎて、その妣(ひ)に遇う。その君に及ば
ずして、その臣に遇う。咎なし。
 九三は、過ぎてこれを防がざれば、従いてあるいはこれを戕
(そこな)う。凶なり。
 九四は、咎なし。過ぎずしてこれに遇う。往けば厲(あやう)
し。必ず戒(いまし)むべし。永貞を用うることなかれ。
 六五は、密雲あれども雨ふらず。我が西郊よりす。公、弋(い
ぐるみ)して彼の穴に在るを取る。
 上六は、遇わずしてこれを過ぐ。飛鳥これに離(かか)る。凶
なり。これを災眚(さいせい)という。

○易経の原文

 小過、亨。利貞。可小事、不可大事。飛鳥遺之音。不宜上、
宜下。大吉。

 初六、飛鳥以凶。
 六二、過其祖、遇其妣。不及其君、遇其臣。无咎。
 九三、弗過防之、從或戕之。凶。
 九四、无咎。弗過遇之。往厲。必戒。勿用永貞。
 六五、密雲不雨。自我西郊。公弋取彼在穴。
 上六、弗遇過之。飛鳥離之。凶。是謂災眚。