2012年6月23日土曜日

―父の存在―

_次に生き物は、細胞分裂の増殖では同じ遺伝子しか受け継がな
いため、環境の変化に弱い。それに対応するために他の遺伝子を
もつ生き物との生殖活動をするようになり、父が現れる。だから
「母子父」の関係が成り立つ。
 父は環境の変化に強い子を産むための情報収集をする母のサポー
ト役となる。そして母は、父の集めた情報を分析して、多様な個
性のある子を創造する。その多様な個性のある子の中から、環境
に順応し母に対抗できる者だけが生き残る。
以上のことから老子易では、母が創始者の役割、子は新参者の
役割、父は母の協力者の役割をする。
 これを今でも続けているのが微生物のミジンコで、メスは環境
のいい場所に卵から孵化して現れ、単独で子を産み増やす。
(メスは卵の時から精子を体内に保存している)
産まれた子はすべてメス。ところが環境が悪くなりそうだとオ
スを産むようになり、産んだオスとの生殖により卵を産む。こう
して卵の状態で環境が良くなるのを待つ。


―母子父の関係―

 母―主導権を握っている強い勢力。創始者。情報分析。
 子―母を目指している弱い勢力。対抗馬。新参者。新しい思考。
 父―母と関係がある者。母の協力者。付き合っている者。情報
   収集。


―母子父の決め方―

 あなたは母か子のどちらになるか?
 あなたが有利な立場や最初に行動しているのであれば、あなた
が母。そうでなければ子になる。
 協力者や付き合っている者(父)がいるか?
 あなたの協力者や付き合っている者が関係している場合、あな
たは母になる。そして、協力者や付き合っている者が父になる。
 相手に協力者や付き合っている者(父)がいて、あなたが新参
者の場合、あなたが子になり、あなたと対立している者が母にな
る。
 あなたと相手の両方に協力者(父)がいて、どちらもはずせな
い場合は、2通りの母子父を調べて判断する。
 
 こうして決まった母子父の順番で、距離感をあらわす「入」と
「出」をあてはめてみる。

―入と出の考え方―

 「入」は、近い場所にいて関心をもち、影響力がある。凹でも
表記する。一般的な易では「陽(|)」。
 「出」は、遠い場所にいて無関心で自由に行動できる状態。凸
でも表記する。一般的な易では「陰(¦)」。
 このように、「入」と「出」は、一般的な易のイメージとは違
うので注意してほしい。
 ところで、どちらかが近い場所にいれば、相手も近い場所にい
ることになるが、相手は近くにいることを知らないこともある。
あるいは近くにはいたくない場合は「出」となる。これは遠い場
合も同じで、お互いに離れた場所にいても相手に近づこうとした
り、影響力があれば「入」となる。